【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀 陸

ep260 ページ13

客間に残り、百地さんと作戦の確認をしつつ


「服部の小僧、バレたようだな」

「ですね」


黒煙を上げて下降し始めた艦隊を見上げる。


万が一バレたら早々に敵艦隊を爆発させて敵の力を削ぐ。ここまでは作戦通りだ。




ただ、予定よりバレるの早かったな……。

全蔵さんがこちら陣営だと途中から気付いたのか、あるいは初めから気付いていて引き込んだのか。

こうなると後者の可能性が否めない。くそ、食えないな。



「とにかく、敵の頭数は相当です。さすがに総出で囲まれたらどうしようもないですね」

「こちらも敵の艦隊に部隊を送り込むかの」


そうですね、と呟きながら伊賀の地図を思い浮かべる。


「敵艦隊を程よく荒らしたら、将軍様の逃亡ルートと反対側に誘導しましょう」



将軍様の護衛は文字通り少数精鋭。とにかく敵が近づかないようにすることが最優先だ。



百地さんの指示で一斉に駆け出していく忍達を見ながらそう考える。



「そして百地さんは――」と言いかけたその時、




ドゴォォォン――……！




轟音と共に激しい地鳴りに襲われる。


慌ててインカムの電源を入れれば


《夜兎があんなに――！》


新八君の言葉。



嘘だろ、と思って廊下に出て見下ろせば、岩壁に突撃した船体の上に番傘の大男達が目に入る。

そしてその中の1人が


《本物の将軍の首、みーーっけ》


遠目でもわかるほど唇を吊り上げてそう言った。




「……は？いきなり夜兎？出血大サービスかよ、ふざけろよ」


そう吐き捨てながら足早に百地さんの元へ戻る。



「百地さん、将軍様早々に見つかりました。あの夜兎達半分はここで足止めしましょう。いけますか？」


「無論ぞよ」



そう答えると百地さんは数多の傀儡を操らんと立ち上がった。



「では始めるかの」





　

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