【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀 参

ep104 ページ7

とまぁ、そんなこんなしている内にマダム攻略作戦は終わりを告げた。

二次会と称して戻ってきたホスト達と私達とで賑わう店内。勿論、酒代はマダム持ちである。


結局一連の騒動は、友達無し、家族も無し、天涯孤独のマダムが狂死郎さんの笑顔に惚れ込んでまた来ただけだったのだ。

どこにでもある石ころみたいな話じゃん。なにを我々は大騒ぎしていたんだよ。あー恥ずかし。



そんなことを思いながら抹茶のにごり酒を飲んでいると背後から銀時がひょいと顔を出す。


「相変わらずの抹茶オタクかよ」


抹茶に文句言うな。抹茶の苦味こそ人生の味なんだよ。


「で。君は……なに、そのピンク色の代物……」


いかにも「俺めっちゃ甘いですよ！！」って感じの飲み物に眉をしかめると


「いちご牛乳サワーにいちごアイスを乗っけて生クリームかけたやつ。いちご銀時スペシャル」

「いや。わかんないから。理解不能だから。お前の舌どんだけバカなの？」


意気揚々として語る銀時にさすがに引く。



「てかお前、あんま飲み過ぎんなよ」

「分かってるって。……てか、銀時それ言うためにわざわざ来たの？」


「だってオメー飲みすぎたら大抵次の日使いモンになんねぇじゃねえか」

「あら嬉しい。心配してくれてんだ？」

「……バカ言ってんじゃねぇよ」



なんて言いながら、目を逸らしていちごアイスを頬張る銀時。
それをニヤニヤしながら横目に見つつ、店内の様子を見回してみる。


あ……西郷さん暇そう。
気になってたんだよね。話に行こ。



「私、西郷さんと話してくる」


いちごアイスを味わう銀時にひらりと手を振ってその場を去った。


　


「ったく、もうちったぁ俺の相手しろよ……。薄情なやつだな」



銀時のそんな呟きはつゆ知らず。






　

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