ep115 ページ18
「や、やめろ!オメエら!今はそんなことやってる場合じゃねぇだろ!!」
その時、必死の形相で止める近藤の背後から「ヒュー!」とどうにも場違いな歓声が上がった。
「野郎共!警察同士が潰し合いを見せてくれるらしいぜ!」
煽る浪士の声にまぎれ、近藤はAに通信を取る。
「A君……!この状況をどうにか――」
このまま真選組と見廻組が正面衝突すれば浪士達の思う壺だ。何とか参謀の頭脳を借りて現状打破したい近藤に
《いいじゃないですか……潰し合い》
呆気らかんと返したA。
「は?」
インカムを聞いていた皆が耳を疑う。
さっきまで自分がいいと言うまで刀を抜くな、落ち着けと言っていたのに。
《だから『いい』って言ってるんですよ。副長と沖田君なんかもう刀抜いてるし、他だってそんな殺気立って……抜いてるも同然じゃないですか》
「い、いやぁそうだけども……!」
声を忍ばせてインカム越しに説得しようとするが、まるでなびかないA。
《それにあんな舐められちゃ……ちょっとは痛い目見てもらわないとね?》
その台詞に近藤は悟った。
――あぁ、彼女もバラガキ属性だったか……。
そしてそれと同時に土方の殺気が辺りに溢れ返る。
「トシッ!!」
「正気ですか土方さん……そこを退きなさい」
そう言う佐々木の声に耳も傾けず、土方はAに語りかける。
「オイ参謀……テメェが『いい』つったんだからな?」
《こんな時だけ責任転嫁ですか?まぁ、いいですよ。思う存分暴れてやりましょう》
その言葉に満足げに笑うと、刀を握り直した土方。そして不敵な笑みを浮かべたまま言った。
「アイツらに乗るつもりはねぇよ。ただ、ここから先に行くってんなら通すわけには行かねえ」
そしてインカムから指令が入る。
《真選組総員、見廻組を取り囲め。局長と沖田君が取引現場に着くまでの時間稼ぎだ。人っ子一人通すな》
「俺達ァ茨斬り開いてでもここを通る。茨斬り開いてでも帰る。テツと……バラガキ共と一緒にな。
その覚悟がねぇ奴は何人たりとも通さねェ……
この
1156人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ギラッフェ(プロフ) - AISさん» コメントありがとうございます!心臓刺激できたようでよかったです笑 これからも宜しくお願いします! (2021年3月24日 23時) (レス) id: d3f370a12a (このIDを非表示/違反報告)
AIS(プロフ) - 橘ちゃんのキャラと能力がどストライク過ぎました。(真顔ゲンドウポーズ)銀さん「ったく、もうちったぁ俺の相手しろよ……。薄情なやつだな」AIS「おっ?君ツンデレか??ならば良し」。ワタクシの心臓を刺激しましたねハイ。更新頑張ってください!応援してます! (2021年3月22日 0時) (レス) id: 2a56ff43b4 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - なまたまごさん» 尊敬だなんでとんでもないです!ただたた銀魂が好きなだけです笑 なまたまごさんもがんばって下さい! (2019年6月24日 20時) (レス) id: ea51419cd6 (このIDを非表示/違反報告)
なまたまご(プロフ) - すごく面白いです…!同じ作者として尊敬します。これからも頑張ってください!! (2019年6月24日 0時) (レス) id: b5ac9a2789 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - Nightさん» 応援ありがとうございます!!ぜひぜひ楽しみにしてて下さると嬉しいです。がんばります!! (2019年6月23日 11時) (レス) id: ea51419cd6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ギラッフェ | 作成日時:2019年4月19日 7時