【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀

ep48 ページ50

よし、銀時の退路塞いどこっと。

そんなことを思う中、なんとなく場を支配する空気が微妙な感じになってくる。


……なんて言うんだろう。嵐の前の静けさ……的な。





カチャリ――……



　



その時——

音がしたと思って視線を戻せば、2人の両手はきっちりがっちり手錠で繋がれていた。


「ブフッ……あはははっ！」


「ちょっと何これぇ！？沖田君！？」

「俺につけてどーすんだよッ！？」


テンパる2人にこちとら笑いが収まらない。


「はははっ！絵面がひどい、ふふはははは」

「テメーはさっきから笑い過ぎなんだよ！」

「てか橘！オメーも鍵持ってんだろ！外せよッ！」


スゴイ剣幕で迫る副長に私はガチトーンで返す。


「え、副長それ本気で言ってます？私が親切にも鍵を外すと……？マジで……？」

「開き直ってんじゃねぇーよ！！」


てか、ちょうどいいや。銀時には食い逃げの件で仕返ししなきゃなとか思ってたし。


「じゃ、俺持ち場に戻るんで」

「んじゃ私も失礼しまーす」


「「えぇぇえええェェェェ！？」」


私達を止めようとする必死な2人だが、



「だってそっちの方が――……



なんか面白そうじゃないっすか」


見事、ドSに弾き返される。

沖田君の顔が完全に凶悪な犯罪者だよ。お巡りさん怖いよ。



「じゃ、俺行くんで」

「わ、分かった！鍵寄越せ鍵だけ寄越せ！」


副長の言葉に立ち止まって引き返す沖田君。そして副長のポケットにしれっとマヨネーズを入れた。


「鍵寄越せっつったんだよ！！てかなんでマヨネーズぅッ！？！？」


「なぁに言ってんですかィ。マヨはいつでもアンタのキーポイントじゃねぇですかィ」


うん、いい笑顔。


「上手い！上手いけどいらないよそんな小洒落たセリフ！！！」




「んじゃお二人とも、養生してくだせェ」

「どうぞごゆっくり〜……ぶふ、ははは」



ツッコミ放置でそそくさと去る私達の背後からはまだギャーギャーと騒ぎが聞こえる。
まぁ、取り敢えず今日の退屈は晴れそうだな。


仕事となると完全遂行を目指す副長のことだからあんな状態でも頑張るんだろうし。
逆にそんな副長に振り回される銀時を想像すると……

んー楽しくてたまらないね。



「Aさん、これからどうしやすいかィ？」

「嫌だなぁ沖田君。そんなの一つに決まってるじゃないか〜」



苦しむ2人を高みの見ぶ——……見守るんだよ。




　
　

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