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ep42 ページ44

……確かにそうだが、と頭を掻く副長。


よし、話題は完全に逸れた!と心の中でガッツポーズをするがそこに


「土方さん、もう行きやすぜィ。早くしてくだせェ」


かったるそうな沖田君が現れて副長を急かす。


「悪りぃ悪りぃ。オイ、もう時間ねぇから隊服貸せよ」


そう言って私から無理矢理隊服を奪うと、袖を通して頭に?を浮かべる副長。




「…………なんか……小さくね?」


「まっさかぁ〜!洗い立てだから布が馴染んでないだけですよぉーアハハハハ……」


と笑いながら副長の背後に回り、反対側の袖に力尽くで腕を通す。

すると……



ビリビリィ――……!



「「あ。」」


隊服が背中から真っ二つに引き裂かれた。



「……橘……」

「いや、いいじゃないですか!これもありですよ!副長の立派な背筋の賜物じゃないですかぁ!!」


冷や汗を流しながら口ばかりペラペラ動く。焦った時ほど人は饒舌になるもんだ。


「ほら、その背中を見れば浪士達も恐れをなして――」

「これ洗う時、誰に洗剤借りた?」


私の言葉を遮って副長が尋ねる。

洗剤…?あぁ、そう言えば昨日まであったはずの洗濯洗剤が空になってたから、たまたま通りかかった————





「――……あ。」


そこで私は気づく。



副長が縮んだ隊服を着るのを見て一番面白がる人物。

そしてそのしょうもないイタズラの時限定で、いつもなら絶対やらない小細工も喜んでやる人物の存在に。



「……ねぇ、沖田君さぁ……」


じとりとした目で振り返るが、ついさっき副長を呼びに来たはずの彼はそこにはいない。




逃げられた。




 




「総悟ォォォォオオオオオッ!!!」



そう思った私の横をものすごい勢いで駆け抜けていった副長。
毎度のことながらお疲れ様だな、と思いながら私は自室に戻った。





 



そして机の上に置いておいたパソコンの画面に


“一件の新着メールがあります”

と映し出されていることに気付く。


開いてみると……




「……なんでこう面倒事って続くんだ……?」

 
思わずしかめっ面をしながら頭を抱えた。

でもまぁ、相手が相手だし……。出向かないって選択肢は皆無だな。


 


“松平片栗虎”の字を見ながらもう一度深い溜息をついた。



 

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ギラッフェ(プロフ) - からちぇさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも応援お願いします! (2020年9月11日 22時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
からちぇ - ドストライクな作品でした!めちゃくちゃ好きです (2020年9月10日 19時) (レス) id: b750728265 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 今井月華さん» コメントありがとうございます!ちょっと気を抜くとすぐ体調崩しちゃいますからね、気をつけます。月華さんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ハニーさん» ご心配ありがとうございます!これからインフルエンザの季節ですし、ハニーさんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
今井月華(プロフ) - お疲れ様です。体調にはお気をつけ下さい^_^ (2018年11月2日 21時) (レス) id: 7d138352b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2018年10月1日 22時

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