ep24 ページ26
長い沈黙。
そして副長はゆっくりと口を開いた。
「……そうか、そうか」
よかった、完全な作り話だったけど信じてくれたみたいだ。
安心する私の前で副長はそう呟きながら傍らに置かれていた刀を手に取る。
……んー、これはー……
「そんなに切腹してぇか、そうかそうか。ならやってやろうじゃねぇかオラァァアッ!」
うん、信じてくれてなかった!
そうだよね!?そりゃそうだ、わかってたよ!!
「ゴリラだと思ったら地黒で肥満体質のチンパンジーだった?ざっけんな、ほぼ同じだろぉがッ!」
いや、ツッコむのそこか……?
「いえ副長、ゴリラとチンパンジーの違いは一目瞭然です。彼等を見間違えるなんて日本人に『貴方はイタリア人ですね!』って言ってるようなもんですよ」
私は携帯でチンパンジーの写真を検索する。
「じゃあ見比べてみましょう。いいですか、これがチンパンジーです」
「あぁ」
「で、あれがゴリラです」
私は窓の外を指差した。
そこにちょうど通りかかった局長が顔を出す。
「ん?何だ?」
「あぁ、成る程な。確かに全然違うな。
……って近藤さんじゃねぇかボケェェエエッ!!」
副長の怒号が響くがもう遅い。
逃げるが勝ち。
私は既に廊下を全力疾走で逃亡中なのだから。
「橘ァァァアアアアアッ!!!」
スパーンと襖を開け放つ音がしてドタドタと足音が迫ってくる。恐る恐る後ろを振り向けばそれこそ鬼のような形相で追いかけてくる副長が見えた。
「待てコラァァァアアアアアッ!!」
「待つかボケェェェエエエエエッ!!」
絶叫しながら走っているとそこに沖田君が現れる。
「ナイスタイミング沖田君!いつものやつやって!」
「コレですかィ?」
そう言って彼が構えたのはバズーカ。
「そう!それ一発ぶっ放して副長を――……ってなんでこっちに銃口向けてんの!?」
「さーん、にぃー、いーち」
「ちょ、ま……はぁッ!?」
私が焦っている間にもバズーカは2発、3発と火を噴く。
「うわっ、ちょ、ひっ!」
奇声をあげながら、何とか避け切った私だったが
「すげェやAさん。まるで日光の猿軍団でさァ」
「こちとら人間だわ、このドS!」
「お疲れ様だったなぁ橘。説教の続きといこうじゃねぇか」
副長に捕まった。
「ははは、了解でーす」
それから数時間、私はこっぴどく絞られたのだった。
2841人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ギラッフェ(プロフ) - からちぇさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも応援お願いします! (2020年9月11日 22時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
からちぇ - ドストライクな作品でした!めちゃくちゃ好きです (2020年9月10日 19時) (レス) id: b750728265 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 今井月華さん» コメントありがとうございます!ちょっと気を抜くとすぐ体調崩しちゃいますからね、気をつけます。月華さんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ハニーさん» ご心配ありがとうございます!これからインフルエンザの季節ですし、ハニーさんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
今井月華(プロフ) - お疲れ様です。体調にはお気をつけ下さい^_^ (2018年11月2日 21時) (レス) id: 7d138352b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ギラッフェ | 作成日時:2018年10月1日 22時