柒拾柒 ページ38
その後も各柱の元をグルグルと回り、それぞれの呼吸法や型を教えて貰ったが…どれも一向にできる気配は無く。
ただただひたすらに全集中の呼吸常中の精度が上がっていくばかりで、気がつけば半年が過ぎようとしていた。
「なんでだ…僕覚えはいいはずなのに…こんな、なんで…」
ガックリと項垂れるAの隣には煉獄の姿がある。
今日は何十回目かの煉獄邸での稽古をつけてもらっていた。
「うむ!君は炎の呼吸も一向に覚えられなさそうだ!!継子に迎えたいから早く覚えてくれ!!」
「覚えれるならとっくに…」
「むぅ!!」
事実Aはやりすぎなほど頑張っていた。
夜、寝る間も惜しんで1人鍛錬に臨んでいるのは知っているし、それは煉獄にも痛いほど分かっている。
今もこうして、朝から昼過ぎまで休み無しの鍛錬にも弱音ひとつ吐かず必死に行っている。
「少し休憩にしよう!!」
「でも、少しでも早く覚えるためには、」
「強くなるためには休養も大いに必要だ!君は少しやりすぎな部分がある。」
「でも!」
「いいから。」
いつもの大きな声とは違い、諭すような声と落ち着いた瞳に何も言えなくなってしまう。
渋々縁側に座り、一息つくと弟君の千寿郎さんがお茶菓子とおにぎりを持ってやってきた。
「どうぞ。朝からずうっと稽古をしてらっしゃいましたから、心配です。
糖分を取ると集中力も上がると言いますし、どうぞ食べてください。」
「ありがとう、千寿郎さん。」
おにぎりとお茶菓子を食べ終え、千寿郎君が入れてくれたお茶を飲みながら煉獄さんと話をしていた。
「なんで僕はこんなにも不出来なんでしょう」
「不出来ではない!!君は教えからたった2時間で全集中の呼吸を身につけたと聞いた。それから、常中もその日のうちに出来てしまったとも、耳に入っている。普通はできないことだ!!」
そう急くことはない、と言われたが、どうしてもAは悔しくて俯いた。
「ふむ…君は柱の元を回っても、なんの型や呼吸法も合わなかったのだったな」
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ぴえんはけつの穴 - 嘘だろなんでハートついてないんだ…!こんな神作つけないほうがおかしい…設定も文もキャラの関係性も何もかもが面白いです…!! (10月30日 15時) (レス) @page25 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 黒豆粉さん» コメントありがとうございます!素敵な作品と言っていただけて、本当に嬉しいです!これからも更新頑張っていきますので、よろしくお願いします! (2019年11月18日 23時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - とっても素敵な作品!!!!すっごく好きです!!とっても面白くて続きが気になります!!!更新頑張ってくださいね!!!待ってます!!! (2019年11月18日 18時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 雷斗さん» 大変失礼しました、すぐに直します!教えて下さりありがとうございます!! (2019年11月10日 12時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
雷斗(プロフ) - 度々すみません、!柒拾参の6行目ですが、1時間時間になってます、! (2019年11月10日 11時) (レス) id: 3d539c4143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナ | 作成日時:2019年9月25日 23時