柒拾陸 ページ36
『お前もいつか見つけるよ。そのままの自分を愛してくれる人。お前が心から守りたいと思える人。お前が、心を預けられる人。』
先生、本当に見つかるのかな。
自分は自分でしか守れないじゃないか。
僕には分からないよ。
『ちなみに俺は、ご主人がそうだったんだけど』
『急に惚気を入れてこないでください』
お前は昔の俺によく似てるよ、って言いながら頭を撫でてくれたっけ。
僕も、見つかるのかな。
・
わたしをあいしてくれるひと。
「…戻ろう」
焦らずともいい。
いつかきっと、その時は来るから。
───────
部屋に戻る途中、雛鶴さんが声をかけてくれた。
「ちょうど良かった、今部屋に呼びに行こうと思っていたところなの」
どうやら昼餉の準備をしてくださったようで。
食事用の大部屋へ行くと、大きな机に沢山の料理が並んでいた。
「わぁ」
食べられる気がしない。
「お、来たか。ほら座れ!派手に食え!!」
「僕そんなに食べれないんですが」
「ああん?!お前そんなヒョロガリで呼吸が身につくと思うなよ!!俺が良しと言うまでは食ってもらうからな!!」
これは、山を登るより過酷な訓練になりそうだ。
───────
先程とは違う意味で吐き気がするほど食べさせられた。
三日分は食べた気がする。
そうしてパンパンになったお腹をさすりながら、午後の稽古のために再び庭へと出た。
「見たところ、お前は基礎体力はしっかりついているようだからな…今から、全集中の呼吸というものを教える。」
「全集中の呼吸?」
「一度に大量の酸素を血中に取り込むことで、瞬間的に身体能力を大幅に上昇させる特殊な呼吸法。
それが全集中の呼吸だ。」
「??」
「まぁやってりゃわかる。お前の場合は肺が強えからな、全集中の呼吸はすぐに体得するだろう。そして!!音の呼吸を教えてやるからな!!!」
ビシッと指を僕に向け、ニヤリと笑う宇髄さん。
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ぴえんはけつの穴 - 嘘だろなんでハートついてないんだ…!こんな神作つけないほうがおかしい…設定も文もキャラの関係性も何もかもが面白いです…!! (10月30日 15時) (レス) @page25 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 黒豆粉さん» コメントありがとうございます!素敵な作品と言っていただけて、本当に嬉しいです!これからも更新頑張っていきますので、よろしくお願いします! (2019年11月18日 23時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - とっても素敵な作品!!!!すっごく好きです!!とっても面白くて続きが気になります!!!更新頑張ってくださいね!!!待ってます!!! (2019年11月18日 18時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 雷斗さん» 大変失礼しました、すぐに直します!教えて下さりありがとうございます!! (2019年11月10日 12時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
雷斗(プロフ) - 度々すみません、!柒拾参の6行目ですが、1時間時間になってます、! (2019年11月10日 11時) (レス) id: 3d539c4143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナ | 作成日時:2019年9月25日 23時