伍拾壱 ページ11
柱の中にも、見える者と見えないものがいる理由は至って単純だった。
『紫』は自分の存在感を無くす。
つまり、相手から見えなくなる…透明人間に近しい状態になるのだ。
発動条件としては、相手が自分から意識を離した時。
Aから一瞬でも目を離せば、相手の瞳にはもうAは映らないのだ。
しかし『紫』になったとしても、瞳が変わってからも目を離さなければ、Aの姿は見ることが出来る。
つまり、柱の中でもAを見ることが出来るものは、Aの投げた木刀に目を映さず、Aを見続けた者。
見ることの出来ないものは、Aから目を離し、木刀に気をやられたもの。
その違いで、Aの姿が見える者と見えない者が現れたのだ。
────さて、戦いに視点を戻そう。
──────
男はすぐさま後ろを振り向き、刀を振り下ろす。
が、ヒョイと躱してAはケラケラと楽しそうに笑った。
「ダメじゃないですかぁ、僕、今真後ろにいたんですよ?仕留め損ねちゃいましたね、あーあ」
男の額に青筋が浮かぶ。
俺が、馬鹿にされている…?
このガキに?
「氷の呼吸、肆の型…」
──氷天百花──
本気で殺す気で、刀を振るった。
しかし、奴は宙を舞い、振り下ろされた俺の剣先に音もなく舞い降りた。人
一人分の重さが乗っているはずなのに、不思議と重さを感じない。
小雀を剣先に乗せているような、そんな小さな重みだけを感じた。
「素早くて凍てつくような技だね。でも、あなた少し大振りしすぎやしませんか?技の本質を分かってないな、貴方の敗因はそれですよ」
「敗因だと!?ふざけるな、俺は負けていない!!」
「でも、時間は沢山あったのに僕の体には傷一つついてないし…おかしいな」
奴はクツクツと大層楽しそうに笑った。
こいつの言葉一つ一つが、俺から冷静さを奪っていく。
頭に血が登り、此奴を殺すこと以外考えられなくなった。
(もういい、殺してやる!!)
「氷の呼吸、仇の型…」
──百花繚乱・雪桜───
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ぴえんはけつの穴 - 嘘だろなんでハートついてないんだ…!こんな神作つけないほうがおかしい…設定も文もキャラの関係性も何もかもが面白いです…!! (10月30日 15時) (レス) @page25 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 黒豆粉さん» コメントありがとうございます!素敵な作品と言っていただけて、本当に嬉しいです!これからも更新頑張っていきますので、よろしくお願いします! (2019年11月18日 23時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - とっても素敵な作品!!!!すっごく好きです!!とっても面白くて続きが気になります!!!更新頑張ってくださいね!!!待ってます!!! (2019年11月18日 18時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 雷斗さん» 大変失礼しました、すぐに直します!教えて下さりありがとうございます!! (2019年11月10日 12時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
雷斗(プロフ) - 度々すみません、!柒拾参の6行目ですが、1時間時間になってます、! (2019年11月10日 11時) (レス) id: 3d539c4143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナ | 作成日時:2019年9月25日 23時