ハイカラ学園物語【コロイカ】【学園パロ】

憧れの…… ページ11

エフテンが連れてきたのは2年B組の教室だった。


A組とは違い、


全体的に大人しそうな雰囲気の生徒が集まっている。


「あの人、知ってる？」


エフテンが指差したのは、真ん中の一番後ろの席。


その席では、男子生徒が1人、読書に勤しんでいた。


「誰、あれ」

「知らないよね、転校生だし。あの方はアーミー隊長だ」

「隊長？」

「私たちがそう呼んでいるだけ。違う呼び方でいいよ」

「難しそうな本読んでるねぇ…」


そう言って、私は目を凝らす。


アーミーの読んでいる本は分厚く、


題名も難しそうな単語が並んでいて読めなかった。


「あの方は去年から学級委員をやっていてな。それに影響されて、私も学級委員になったんだ」

「確かにモンゴウベレーが同じだ」

「原作では同じチームだからな」

「エフテンちゃん？？？」


エフテンは微笑みながらアーミーに視線を向ける。


その目は憧れで満ちていて、輝いていた。


しっかり者のエフテンちゃんがそうなんだから、


相当すごい人なんだなぁ…と感心する。


とある興味が湧いて、


にやにやと笑いながらエフテンの肩を叩いて見せた。


「もしかしてー、好きなの？隊長サンのこと」

「無論だ！心より尊敬している」


そう即答したエフテンの回答に対して、


私は「そうじゃないんだけどなぁ」と唇を尖らせた。

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