Voix de l'ange 2 ページ3
‐
「この地上にあれほど忌まわしい約束はないわ」
夜の風が喉を冷やしていく。紅い髪の彼が立ち去る気配はない。彼の気が済むまで、などと思っていたが、切り上げようとする気配もみえない。下校時刻はとうに過ぎているし、夕食を食べていない。育ち盛りの男子高校生に夕食抜きは辛いのではないだろうか。それにきっと親御さんだって心配しているだろう。
「あの、今日はもうこれで終わりにします。暗いですし」
恐る恐る声をかければ、彼はそれもそうだネ、と言って立ち上がった。辺りを見回せば、勿論他に人は居なくて、ちらほらと外灯がついているだけの寂しい学校になってしまっている。
「すごいネ。渉にいさんのを何回か見たことがあるけど、多分今のもすごかっタ」
結局何がすごかったのだろう。まぁ、そんなことはどうでもいいけれど。私の演技は、どうせ拒絶で塗り固められた張りぼてだ。その渉にいさんとやらよりもずっとずっとみっともないであろう、私の保身的な行動。
「私、樺山Aです。お名前を窺っても……？」
「どうしてそんなに下手で来るノ？年上なのニ」
おかしそうに少年が笑う。彼の首にはペンダントのほかに、本来ならばあるべきネクタイがつけられていない。これで年齢を推測しろとは、なんとも難しいことを言うものだ。
「まぁ、いいヤ。ボクは逆先夏目だヨ。よろしくネ、Aねえさん？」
にこり。微笑んだその整った顔は、天使にも、小悪魔にも見えた。
。。。。。
文字数の関係で二つに分けます…
今思えば夏目君ネクタイつけてねーなって。
Voix de l'ange 3→←Voix de l'ange 1
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
草谷 玲(プロフ) - Hana@美月姫さん» コメントありがとうございます!!長い間更新してないと話の内容を忘れてしまってちょっと放置していたのを後悔してます…w 更新遅くてごめんなさい。頑張ります!! (2017年3月11日 1時) (
レス) id: 36db035794 (このIDを非表示/違反報告)
Hana@美月姫(プロフ) - テストお疲れ様です！ 作者様のペースでこれからも更新頑張ってください♪ (2017年3月10日 23時) (レス) id: 6ef80e5a16 (このIDを非表示/違反報告)
草谷 玲(プロフ) - カエデさん» コメントありがとうございます。そう仰っていただけて嬉しいです。こっそりフォントも変えて、打てる文字も多くなったので、推敲はしようと考えています。主人公のしあわせを願っているので、なんとか自分の思い描いた終わりに持っていければな、と。 (2016年12月29日 21時) (レス) id: 36db035794 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - 私は作者様自身が作品に愛着が持てるような作品を作っていただきたいので、推敲したいと作者様が考えるなら推敲するのに賛成です。待ってます^^ (2016年12月29日 20時) (レス) id: cc1036df59 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：草谷 玲 | 作成日時：2016年11月25日 23時
