9話 環境2 ページ11
全員の健康診断を終えて一息つく。
船長室は、他の部屋と比べて大きく作られており、カルテや医学者が入るスペースを設けるためだ。
椅子にもたれて眼鏡を外し、目頭を押さえる。
コンコンコンとノック音が聞こえて「入れ」と言う。
「遅かったな、ペンギン」
足を組んで肘掛に肘を立て頬杖する。
「船長、あの子供ですが」
「あれは、ここに置く。と言った所でお前は反対するだろう。何が聞きたい」
ペンギンは、ため息をついてローに近づく。
「あの子供、何処かのスパイとかじゃ無いという保証があるんですか？」
「無い」
ローは、即答する。
「なら！」
「が、スパイという保証もない。実際、気付いてたかもしれないがあれは、対人恐怖症だ。しかも、大人にたいしては特にだ。何の変哲もなく接しているように見えた筈だが、俺達とは一回も目線を合わせようともしないし、ある一定の距離から近付こうとしないし、会話をしようともしない。これじゃあ、スパイは務まらない。だが、本当にスパイだとしたら、奪うまでだ」
「あの子の何がそんなに気に入ったんです？」
「あの目だ。人を酷く怯える目。あれは、この世界では必要になってくる。全てを疑う目が」
「最後にあの子の能力なんなんですか？」
「幻獣種トラトラの実だ。モデルは白虎。本当に実在するとは思ってなかったがな」
「白虎って、あの⁉伝説じゃなかったんですか⁉」
「四神とも呼ばれる4つの幻獣種の中で最凶といわれている。鋼のような体を持ち、全てを貫く牙、引き裂く爪。戦闘面に関しては一番強いだろうな」
「他の四神もいる可能性が」
「どうだろうな、、、。で、他には？」
ペンギンは、拳を握る。
「俺は、信用できません。なので、俺のやり方で判断します」
ローは満足気に笑った。
「あぁ、お前ならそういうと思った。だが、これだけは覚えとけ。彼奴はまだガキだ。感情のコントロールが苦手な分、それが能力としてでる。余り刺激するなよ」
「分かりました。失礼します」
ペンギンは、船長室をでると早速行動を始めた。
ーー
最近、視線を感じる。その視線は、身体中を突き刺すような感じで身が縮まる。
夜になると消えるのでなんとも不思議なものだ。
部屋は未だにあの牢屋だ。どうやら、ペンギンさんが決めたことのようだ。私は部外者だから、それに黙って従う。
慣れない場所は、やはりストレスを受けるもので何度か吐いたりもしている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 793人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
koame10001(プロフ) - あの、ワンピースなら外国の苗字などにした方がいいと思います。それと、もしそのままがいいのならワの国出身などでいいと思います。 (2020年8月13日 2時) (
レス) id: dd7c82a96f (このIDを非表示/違反報告)
黒狗(プロフ) - 架印�靴気�» ありがとうございます！訂正しました。 (2020年3月2日 1時) (レス) id: bbf2f2d999 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 誤字報告です。46話「助けが送れて悪かった。（以下略）の所ですが、“遅れて”が正しい漢字ですよ。 (2020年3月2日 0時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
裕貴(プロフ) - はい！また何かありましたら報告します！ (2020年2月27日 22時) (レス) id: 7bd5a40029 (このIDを非表示/違反報告)
黒狗(プロフ) - 裕貴さん» ありがとうございます！訂正しました！ (2020年2月27日 22時) (レス) id: bbf2f2d999 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒狗
| 作成日時：2020年2月16日 1時
