死にたがりやの幼女審神者 (ページ23)

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19話本当は3 ページ23

どんなに望んでも、叶えたくても出来ない事がある。

それで、諦める者と諦めない者がいる。

少年は、諦めなかった。

「平野、、、貴方の為なら僕は審神者に体を売る事も出来るんですよ？知りませんよね？それほど、僕にとって平野が大切なんです。平野が生きていてくれるなら、僕は幸せです」

前田は、平野の手を握り泣きながらも笑ってみせた。

「行って来ます」

前田は、震える手を隠すように部屋を出た。

ーー

主の霊力が元に戻りつつある。

流石に薙刀の手入は、霊力をかなり消費する。

「主、目眩とかもう大丈夫かい？」

貴女「だ、大丈夫です」

主は必ず、人と話す時は俯く。

まるで怒られている子供のようだ。

あ、子供だった。

でも、なんか雰囲気が違う。

確かに、初めて会った時も何かを経験したかのような雰囲気をしていた。

「そっか、僕は主が元気になってくれて嬉しいよ」

主の本当の笑顔を見た事がない。

その時、ドアが叩かれた。

ドアに一番近かった膝丸がドアを開けると、そこには粟田口兄弟の一人、前田藤四郎がいた。

しかも、泣いていた。

膝丸がつかさず前田と同じ視線となるようしゃがむと優しい声で前田に聞いていた。

「どうしたんだ？どこか、痛めたか？」

「ち、違うんですっ！審神者様に、、助けて欲しい人がいるんです！お願いします！平野を、、、平野藤四郎を助けて下さいっ！なんでもしますっ！その為なら何でもしますから、だから、どうか平野は助けて下さいっ‼」

前田は、頭を下げて懇願していた。

膝丸は、椿を困った様な目で見ていた。

貴女「それが、、私の役目。だから、、手入、します」

前田は、下げた頭を上げて目を見張っていた。

「良いの、、ですか？」

椿は、髭切の背後に隠れながらも頷いた。

「ありがとうございますっ‼」

貴女「案内を、、お願いしても？」

「は、はい！」

前田は、ぎこちない笑顔だが心から喜んでいるのが分かる。

ただ、主を警戒しているのだろう。