死にたがりやの幼女審神者 (ページ18)

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16話背中越しの声4 ページ18

「、、、何が目的だ」

今は、膝丸の後姿しか見えないが相手を警戒しているのが分かる。

「目的って、そりゃあ手入かな？後、折れた刀の修復」

相手は、まるで『出来るでしょ？』と言っているかの様に応える。

「折れた刀は、二度と元に戻らない。お前なら知っているはずだと思っていたんだがな？」

「知っているはず？どうしてそんなこと言うの？分かんないじゃんっ‼もしかしたら、審神者なら直せるかも知れないんだよっ‼それもかなり大きな霊力を持った人ならね！」

膝丸は、底知れない無邪気さに戸惑っていた。

まるで、直せるのが当たり前とでも言っているかの様だったからだ。

「だから、審神者に会わせてよ」

「駄目だ。お前、少し可笑しいぞ？」

「は？何言ってるの？可笑しいのはお前だろっ‼」

貴女「私が審神者、、、」

椿は、膝丸の足を掴みながら言う。

「君が？甘い香りだね。それに、霊力が多いね。君なら、この刀を直してくれるでしょ？」

すると、膝丸は相手の胸倉を掴んだ。

「お前なら知っていると思っていたっ！俺達は今、人間と大差ない！ただ、人間と違って付喪神故、審神者の霊力で生き、怪我を治し、永遠を生きる。俺達只、人間の真似事をしているのだっ！だから、命は一つしか無い。審神者の霊力があるからと言って都合良く生き返せられると思うなっ！」

彼は、膝丸の言葉を聞いて顔を伏せていた。

「分かってる。分かってるんだよっ！けどっ！もう一度、会いたいんだ」

彼は、涙を流して膝丸に言葉を投げつける。

「それは、、悪い事？ねぇ、教えてよ。もう一度、会いたいと思うことは悪い事なの？」

貴女「一度だけ、、、もしかしたら元に戻せると思う。失敗するかも知れない。それでも、、やる？」

「本当？」

貴女「決めるのは、、貴方」

「、、る。やる！」

椿は、男性から折れた刀を貰うと目を瞑る。

すると、刀は輝きを放ち、光が治る時、刀が元に戻っていた。

そして、桜が舞うと同時に人型が見えた。

「あれ、、、僕、、どうして？」

「安定っ‼」

男性は、安定と呼ばれる男性に抱き着く。

「清光、、苦しい」

「ご、ごめん。ありがとう、主！俺の名前は加州清光」

「僕は、大和守安定。宜しくね」

貴女「椿。宜しく」

「「宜しく！」」