Guy Fu！Show U.-磑風舂雨-(all her side) (ページ9)

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③-1*『そんなに濡らして、、まさかとは思うけど今日も自転車か？』ページ9

風磨くんが私のことを好き…？
普通に、仲の良い同期として今まで見てきたから
もしそれが本当だったとしたら…、そんなこと急に言われても、全然対応できないや、、
風磨くんと付き合う展開とか、考えてもみなかった。
風磨くんは、考えてたって事…？

風磨くんのことで頭をいっぱいにしながら眠りに就いて朝起きたら
お天気は生憎の雨だった。

「まあ、イケるっしょ！！」

いつもの通り1分1秒を争う事態なので私は自転車に股がった。
徒歩だと15分のところ、自転車を飛ばせば5分で駅まで着く。
──────ところが、

「うわ失敗した、、」

霧雨とか、小雨かなーなんて甘く見ていた雨足は想像よりずっと強く
容赦なく私の髪を、顔を、そして服を冷たく濡らして行った。

(カッパ着てくればよかった……！)

なるべく早く着こうと必死に自転車を漕いだけれど、駅に着いた頃には髪や顔はビッチョビチョ
服はコートだから染みてきてはいないけど、結構な濡れ具合。
いち社会人としてこの濡れ具合で出勤するのはなかなかにヤバいなー…
そんなことを思いながら飛び乗った電車の中。
空席に腰を下ろし、とりあえず持っていたハンカチで髪と顔をガシガシと拭いていたら………

『ちょ、A！？』

びっくりして顔を上げれば、向かいの席から風磨くんが目を見開いてこっちを見ていた。
恥ずかしいところを見られちゃったな、、

「やだ、すっぴんだからあんま見ないで(笑)」
『そんなに濡らして、、まさかとは思うけど今日も自転車か？』
「うん…」
『っは、お前バカなの？てかカッパ着てそれ？』
「や、カッパ着なかったの…着ればよかった(笑)」
『服は大丈夫なん？』
「コート着てたから大丈夫！コート様々やでぇ」
『ったく、しょーもない奴だな本当(笑)』
「社会人失格だよ…」
『まあまあ、間に合ってるからセーフかな(笑)』

風磨くんに笑われながら電車を降りたら

『あ、髪、多分もっとちゃんと拭いた方がいいよ。』
「あ、甘いかな？ハンカチしか持ってなくて、」
『……まだ時間あるからコンビニ寄ってこ。』

風磨くんに手を引かれてコンビニに入った。