Guy Fu！Show U.-磑風舂雨-(all her side) (ページ25)

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⑦-1*男の子の部屋に上がるのなんて、元彼以来だから本当に久しぶりだ。ページ25

私たちはテレワーク初日を迎えていた。
中島先輩から早速テレビ電話がかかってきたりして、午前中はあっという間に過ぎて行った。

「…蕎麦でいっか。」

冷蔵庫にストックしておいた生蕎麦を鍋で茹でて、麺つゆと清酒と醤油を適当に組み合わせて蕎麦つゆを作り、お気に入りのラー油をかけて
揚げ玉をふんだんに乗せれば、私のズボラ飯が15分程で完成する。

「隣なんだし、行ってみようかな？」

出勤時会っていたいつもと違って、今朝は風磨くんの顔が見れなくて何だか寂しかった。
お昼休みに押し掛けるくらいいいよね？

湯気の立つどんぶりを手に部屋を訪ねれば、
ドアを開けてくれた風磨くんはひどく驚いた顔でフリーズする。

「ごめん…、迷惑だったかな？」

固まる風磨くんに、さすがにサプライズ訪問は迷惑だったかと顔を曇らせると、

『あっいや、ちがくて！！上がって、』

慌てたように否定されて招き入れられた。

「お邪魔しま～～す♪」

男の子の部屋に上がるのなんて、元彼以来だから本当に久しぶりだ。
でも、間取りが自室と一緒なせいか、さほど緊張はしていないみたい。

「間取り一緒だから、何か変な感じ～～、人ん家来たって感覚がしない(笑)」

とは言いつつも、掃除が行き届いてて、物も少ないし、私の部屋より綺麗だな。

そうして、風磨くんとまったり昼休憩。

『中島先輩からテレビ電話本当に来た？』

「来たね。11時台に(笑)」

『そうなんだ。俺も少しマリウスとしたけど。野郎同士だから何も嬉しくなかったわ。』

「え～、マリウスくん綺麗な顔してるし、声も癒し系じゃん。十分癒されると思うけどな？」

『は、何お前、マリウスも好きなの？』

「そういうわけじゃないよっ(笑)。ほとんど話した事もないしね。」

“も”って、その言い方は何なの。
マリウスくんを風磨くんが可愛がってるのは何となく知ってるけど
綺麗な顔と癒し系ボイスという事以外は何も知らない。

『そっか。好きなのは中島先輩だけか。』

今度は“だけ”？確かに中島先輩の事は好きだけど、

「や、別に中島先輩の事はさ～、そんなんじゃないじゃん。」

『そんなんって何よ。中島先輩に対していつもデレデレしてない？』

「え～～、気のせいだよ？」

『好きなら告白してみれば』

「だから～～、そういうんじゃないもん！もう。」

『…へー、』

私にとって、“そういう”存在なのは、今となっては風磨くんなのに…
疑うような視線を向けてくる風磨くんに、私は溜め息をついた。