醜態晒せ ページ14
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不死川によって、荒く屋敷に放り込まれた。受け身が取れなかった故に、盛大に座敷を転がる。
手の皮が少し剥けたぞ。
不｢オラ鬼、お前らの好きな血だァ！｣
不死川は刀で自らの手を切り付け、血を垂らす。その凄まじい臭いは、一瞬にして周囲に漂う。
なでふことなり…。
ただでさえ普通の血でも吐き気をもようすと言うのに、よりにもよって稀血とは。これは吐き気を通り越し、気を失うやもしれん。
眉間にシワを寄せ、口元を手で覆う。来るになし。
それ以上近付けば、胃の中を戻す。
し｢凛月さん、別に無理しなくてもよろしいですよ？｣
黒い笑みを浮かべるしのぶは、妾に何を望んでおるのだろう。血に飢えた鬼としての醜さか、ましてやそれ意外の結果か。
どちらにしろ、姿を晒すしかないのかえ。
凛｢…はぁ｣
せむかたなし。頭を掻き、床から立ち上がる。
貴様らが言い出した事じゃし、後で後悔しても知らん。
凛｢血鬼術、“妖”｣
瞬く間にして、獣の姿に変化する。
赤い体毛に通常とはかけ離れた巨体。耳元まで裂けた口と鋭く長い牙。ギョロリとした大きな黄色の目玉。太い爪の覗いた手足。全てを顕にした。
凛｢醜いカ？どウだ。お主らノ言う証明とやらニなっタカえ？｣
日が差している座敷の外へ出ると、さらに驚きの声が聞こえた。
し｢っ…｣ｶﾞﾀｶﾞﾀ…
宇｢まじかよ。派手に太陽浴びてやがるのに、生きてんのかよ…｣
？｢よもや！これは益々警戒を怠ることの出来ないな！｣
？｢信じない、俺はこんな事を信じないぞ…｣
？｢そんな…｣
血鬼術を解き、パサリとその場に現れる着物。その中から手を伸ばす。
凛｢…ご満足、給へられきや？｣
その言葉に答える者はおらぬ、ただ一人を除いて。
御｢君は本当に鬼なのかい？それとも人間？それか、別の生き物かな？｣
凛｢…いづれにもあらず。鬼であり鬼ではない、人間であり人間でもない、また獣であって獣でもない｣
でもそんな妾を知っていても、旦那様は拒絶しなかった。受け止めてくれたのだ。
御館様は一瞥し口を開く。
御｢まだ隠している事はあるかい？｣
凛｢…お見通しなんかな。…名ァ凛月言いましたが、本名は鬼舞辻凛月言います｣
瞬間、辺りはざわめき出す。刀を構える者、神経を研ぎ澄ます者。あなや、駄目だったんかえ？
御館様が人差し指を立てる。
御｢…君は、彼の何なんだい？｣
凛｢…………分からない｣
今まで考えた事がない。
旦那様、貴方は妾は…。一体、何者なのだろうか。
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虚(プロフ) - とても良い作品ですね！お気に入り失礼します！好きです(((更新楽しみにしています！ (2020年3月7日 0時) (
レス) id: 7c0e52b0b9 (このIDを非表示/違反報告)
Graecia devil sardine(プロフ) - ユラさん» コメントありがとうございます！前に遊んだスマホアプリに出てきた女の子の話し方を真似てみました。 (2019年11月23日 12時) (レス) id: 890b359372 (このIDを非表示/違反報告)
ユラ - 面白いです！夢主さんの喋り方めっちゃ好き… (2019年11月23日 12時) (レス) id: 98acb8ec1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Graecia devil sa-thin | 作成日時：2019年11月13日 20時
