25.衣食足りて礼節を知る ページ29
｢貴方って目上の人に対する話し方が変なのね｣
それはAのこの一言から始まった
獪岳と彼女が隊士になったばかりの頃の話だ。
｢は.........チッ｣
獪岳は舌打ちをしてガシガシ頭をかいた。
隊士になってから共に行動することになったこの女は思ったことをなんでも言ってくる、配慮に欠けた人間だと獪岳は思っていた。
Aはそんな獪岳を見ながら微笑み、彼の隊服を控えめに掴んで言った。
｢ふふっ。そんなに怒らないでよ
私が正しい話し方を教えてあげるから...そうね、｣
蕎麦屋か茶屋か......選んでいいわよ？とAは彼の隊服の裾を掴んで怪しく微笑んだ。
二人は結局藤の家で勉強する事になった。
Aはどうせ獪岳はその意味を知らないだろうと思って、からかうつもりで店を選ばせようとしたのだが...
｢やるならさっさとしろよ、尻軽｣
｢はぁ.....変なことばっかり知ってるんだから、嫌になるわね｣
藤の家の人から借りてきた広めの机に、向かい合って座る。机の真ん中に紙を置いてAは獪岳に話し始めた。
目上の人と話す時は『敬語』というものを使う。
それには基本的に『丁寧語』『尊敬語』『謙譲語』という三種類があり、それぞれの使い方を説明する。
詳しい事は紙に書き起こしながら、口でも簡単に説明をして、一通りそれを終えた後に獪岳に問いかけた。
｢これで終わりだけど、わからないところ...ある？｣
Aは人に教わるのは好きだが、説明するのは苦手だった。勢いで勉強会を開いたはいいものの、上手く伝わっているか不安だった。
｢.....いや、わかった。｣
獪岳は少しの間の後こたえた。Aはその言葉に眉をひそめる。
｢あのね、敬語は相手を立てるものだけど、『相手を立てる』ってそういう事じゃないのよ｣
そう言ってAは立ち上がった。
｢さぁ獪岳、準備して。町へ行って実践した方がきっと早く覚わるから｣
・
二人は町に来た。昼間の町は人が沢山おり活気に溢れている
｢いい？目上の人に対して『俺』は使えないの。『僕』か『私』を使うようにしてね。
あと曖昧な返しも駄目。ハキハキこたえて｣
｢わかったわかった......｣
｢じゃあ早速実践ね。八百屋、魚屋で買い物をしてきて｣
Aは獪岳が歩いて八百屋に向かうのを見送り、彼が帰ってるくるのを待つ。
しばらくするとAは後ろから声をかけられた
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Ms3(プロフ) - 間違えて前作にコメントを送ってしまいました。すみません。この話ほんと大好きです！更新ずっと待ってます！ (2022年2月5日 13時) (
レス) @page32 id: 97ad62886e (このIDを非表示/違反報告)
どまたん - 面白いです！頑張ってください (2020年11月15日 19時) (レス) id: 4fadde88bd (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 希乃夏さん» ありがとうございます！嬉しい...。更新頑張ります！！ (2020年4月9日 17時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)
希乃夏(プロフ) - 怖い話大好き人間なので、続きが気になります！更新頑張って下さい！ (2020年4月9日 2時) (レス) id: 65dd38510e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 春雷さん» ありがとうございます！更新できてなくて申し訳ないです...。頑張ります！番外編いいですね ...お話考えてみます！ (2020年4月7日 14時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばりぼり | 作成日時：2020年3月18日 18時
