昼餉 ページ25
A、千寿郎、獪岳の三人は町にある飯所に来ていた。
「本当にごめんなさい...千寿郎くん。
なんでも好きなものを食べていいからね」
「いいえ気にしていませんから。それよりも、昼食の時間をお邪魔してしまって......申し訳ないです」
Aの千寿郎への誤解はあの後無事に解けた。我に返ったAは彼に土下座する勢いで謝罪をし、獪岳と三人で千寿郎へのお詫びを兼ねて飯所に来た。
カウンター席に千寿郎を挟んで座り、お品書きを見せながら獪岳は話しかけた。
「好きなだけ食えばいい。コイツが払うんだ」
「そうよ、遠慮しないで。千寿郎くん成長期でしょう?沢山食べて体力つけないとね」
Aはすっかり元気になって、年上ズラをかましている。
さっきまでビービー喚いていたというのに...獪岳は呆れていた。
「ありがとうございます。...久しぶりです。誰かとこうして町で一緒にご飯を食べるのは」
「.........」
目線を机に落として寂しそうに微笑む千寿郎。
Aはそれを見てえも言われぬ気持ちになった
Aと千寿郎の間に気まずい空気が流れる。獪岳はそれを見て心の中で舌打ちをした。彼はこういうしんみりした空気は好きではない。
仕方ない...と思い、獪岳は俯いている千寿郎の後頭部に手を置き、何度か軽く叩いた。
「今はそういうのは無しだ。腹減っただろ?なるべく早く注文しろよ」
「え......」
「好きなの頼まねぇと、俺が勝手に決めちまうぞ」
戸惑っている千寿郎の手にあるお品書きから、獪岳はいちばん高いものを指さして「お前のはこれにするか?」と少し意地悪くわらった。
千寿郎はえ、え?と言いながら獪岳とお品書きを見比べている。
獪岳は千寿郎の後頭部に置いた手を肩に置き直した。
傍から見たら彼が子供を脅しているように見えなくもない
Aはそんな光景を見て、
獪岳の猫かぶりめ.........と毒づいていた。
「じゃあ僕、トンカツが食べたいです...」
「へぇ、この店の新メニューなんだね。私もトンカツにしようかなぁ」
Aも二人に混ざりたくなった。
千寿郎の方に近づいて注文する料理を話し合う。
するとカウンターの反対側にいた店主が三人に声をかけた
「ありがとね御三方。うちも洋食を始めてみたんだ、沢山食べてくれよ!」
そう言われ、三人仲良くトンカツを食べることにした
ーーーー
大正時代には
とんかつの名前は既にあったとか...
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Ms3(プロフ) - 間違えて前作にコメントを送ってしまいました。すみません。この話ほんと大好きです!更新ずっと待ってます! (2022年2月5日 13時) (レス) @page32 id: 97ad62886e (このIDを非表示/違反報告)
どまたん - 面白いです!頑張ってください (2020年11月15日 19時) (レス) id: 4fadde88bd (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 希乃夏さん» ありがとうございます!嬉しい...。更新頑張ります!! (2020年4月9日 17時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)
希乃夏(プロフ) - 怖い話大好き人間なので、続きが気になります!更新頑張って下さい! (2020年4月9日 2時) (レス) id: 65dd38510e (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 春雷さん» ありがとうございます!更新できてなくて申し訳ないです...。頑張ります!番外編いいですね ...お話考えてみます! (2020年4月7日 14時) (レス) id: 2740432cb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばりぼり | 作成日時:2020年3月18日 18時