お見合い 3 ページ33
ｰ翔吾side
翔吾「…。」
俺はホテルのロビーでミナさんを待っていた。
彼女が戻ってくるまで、帰るつもりは無い。
だけど、ミナさんはいつまで待っても戻って来なかった。
まさか、あいつと…。
嫌な想像をしてしまい、落ち込む。
他にすることも無いので、俺はミナさんと出会ったきっかけを思い出していた。
俺がEXPGに入ったきっかけはEXILEさんだった。
彼らに憧れてEXPGに入った俺は、そこでAに出会った。
あの頃から超絶美人で人見知りだったAに話し掛ける人はほぼいなくて。
彼女もどこか諦めたように振る舞っていた。
だけど、どこか寂しそうで。
だから俺はAに話し掛けた。
すると、Aは鮮やかなブルーの瞳を大きく見開いて驚いていた。
そこから少しずつ俺に打ち解けてくれたが、他の人と話す様子は無く。
翔吾 “A、俺だけじゃなくて他の人とも話しぃや。”
A “うん…。”
レッスン終わり、Aとそんな話をしていると、Aを呼ぶ声がした。
その声の持ち主。
それがミナさんだった。
高校の制服を着た彼女は俺に笑いかけ、言った。
ミナ “君が翔吾くん？”
翔吾 “…？はい。”
頷くと、彼女はAとそっくりなブルーの瞳を細めた。
ミナ “いつも妹と仲良くしてくれてありがとう。
A、家で翔吾くんの話しかしないんよ。”
A “ミナっ！余計なこと言わんとって！
早よ帰るで！”
ミナ “はいはい。”
顔を真っ赤にしたAの頭を撫で、ミナさんが笑う。
ミナ “これからも妹のこと、よろしくね。”
翔吾 “はい。”
頷くと、一瞬だけ、ほんの一瞬だけ、唇に柔らかいものが触れた。
翔吾 “っ!?”
ミナ “じゃあね。”
ミナさんは、俺のファーストキスの相手で──────。
俺の、初恋の人だった。
その日から、ミナさんは俺に“私と付き合わない？”と聞いてくるようになった。
そしてその半年後、ミナさんが高卒で就職先に選んだのは福井県だった。
越前塗りの職人になるのだと。
彼女が帰省するとき、たまに会うことがあった。
仕事の話をするミナさんは、とても楽しそうで、なによりとても誇らしげで。
仕事を心の底から楽しんでいるのが、心から愛しているのが伝わってきた。
…ミナさん。
貴女は、俺のことをどう思っていますか？
あの男と結婚するんですか？
…やっぱり、あの言葉は冗談だったんですか？
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直実(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！めちゃくちゃ励みになります！これからも応援していただけると大変嬉しいです (2019年12月20日 18時) (
レス) id: 993595d907 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - ランぺ大好きですRIKUくんと北人君と樹君と翔吾君と壱馬君とまことくん寄りのオールです最高です気温の変化が激しいので気を付けて更新大変だと思いますが頑張ってくださいね応援してます (2019年12月20日 17時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：直実
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/naomi_shogkazu
作成日時：2019年12月15日 14時
