ひ ね く れ 兎 。2匹【学校のカイダン】

□階段□ ページ16

あ「全部知ってます、的なやつ本トウザい。羨ましいとも何も思わない。…逆にお前ら全員、《哀れ》過ぎるわ。…なーにーがー自由だ」

壁際から背中を外し親がいる前に歩いていく。

「A…ちゃん?」


あ「凄いよな、よく人の親貶すよな。それは人に対する冒涜だなぁ！！」

語尾を強調し、底から押さえきれない笑いが声となって現れる。あはは、あははは！！と見下し鼻につくような声の大きさと顔つき。大袈裟に嘲笑い、その火は突如消える。


あ「お前ら人権って学んできたよな。皆が平和に、とかだっけ。そんなの掲げといて見えるところだけしかやってないんだー。見えないところなら、その場にいない人間なら、貶していいんだ?冒涜していいんだ?


一般常識身に付けてこいよくそが」



真顔で淡々と心を抉る。
今まで仲良くしていた人間にことごとく裏切られる、この感覚。
目の前で見える絶望の顔。



夏樹「おい、A…」



私から君が離れないと君は変われない。


君は私との関係は無かったことにして


＿＿やり直せ。




皆のその絶望の縁に立たされた顔…



今の私には快楽にしか変わらない。



波留「お前…どうしちゃったんだよ」

顔を歪ませる波留の隣で立ち尽くす夏樹
王様どこいったんだ、と思うくらい。

1人、また1人

私を見て表情を影に落とす。私の変わりように夏樹の親やタクトの親が前のめりに立っていった。

「Aちゃん、君って奴はどうしたんだ！夏樹やこいつらを裏切るのか！」

息を荒げて叫ぶ親は一体何なのだろう。子供を敵と見なし、攻撃する。かと思えば攻撃点を変えて銃を構える。


あ「煩いなぁ。裏切るも何も、まぁあんたらからしたら裏切り行為か。
皆さん大口叩きましたねぇ。誰のお陰で生きてるんだっけ? 誰のお陰でここにいるんだっけ?

__お前ら1人で生きてきたのかよ。

違うだろ。周りに人がいたからだろ。仮にも親って言うものがいたからだろ。
じゃなきゃ存在しないんだよ、お前らは！」


私の全くトーンを変えずに話続ける様を見て立ち上がった親たちは徐々に腰を落とす。


あ「ものさしだァ、そんなものはどうでもいい。他人が入り込む意味はない。家族の問題にお前らが関わる必要はない。いくら《あの人たちのせいで皆が困る》とか言われても、《家族の問題です》って言われたら終わりだ。

自分の理想の為に他人の所有物、まぁここでは親か。それを傷つけるのは理不尽過ぎだ。

…親は親なんだよ。嫌でも親なんだよ！！」

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