□階段□ ページ45
あれから美森と電話を重ね、彼女のしたいこと、意思が確定した。
《私、やっぱりやりたい》
《美森の意思ならそれを尊重する。止めもしない》
《自分の言葉で南たちに伝えようと思う》
《美森、1つだけいっとく》
《ん?》
《美森の意見も正しい。だからといって南が悪い訳じゃない。お互いの意思だから、責めることはしないように》
《分かった》
《じゃあまた明日。おやすみ》
《うん、また明日。おやすみなさい》
画面の通話終了をタップした。
スマホを手に持ったまま、ベットに倒れこんだ。
ふう、と息を吐きうつ伏せのままスマホを手探りで棚におく。そして、そのまま意識を手放した。
--朝早く夏樹と合流し学校に向かった。
裏庭に回ると、2年1組の特別採用枠の生徒が釜戸でシチューを作る準備をし始めていた。
夏樹「マジでやるんだ」
あ「朝早いとか眠い…」
夏樹「朝早く呼び出したのはAな」
あ「ごめん」
南と波留が後ろから来るのが背中でわかる。南は私の隣に立つ
南「6人で何する気?材料だって足りないんじゃない?」
嘲笑うように嫌味を言った傍から、数人の女子生徒が私たちを抜いていった。
「これ使って!」
手元には段ボール一杯に入った野菜
「これも!」
同じように段ボールを持った数人の男子生徒
次々と、マルシェの衣装を着た2年1組の生徒が材料を抱えて集まってくる。
その様子を見る私たち。彗の言葉に動かされたのか。否、少しだけか。
そして、私の背中にあの声を感じた。
「これもどうぞ!」
私たちを越えて空中を舞い、春菜ツバメが反射的にキャッチする
「これは?」
驚きを隠せず疑問符を浮かべる彼女に呆れて物を言う美森
美森「トリュフだよ、トリュフ!そんなことも知らないの?」
マルシェの衣装を着た美森の登場と彼らに手を貸したことに怒号を飛ばす南
南「ちょっと!…あんた何してんの?」
美森は苦しそうな顔をして口を開いた
美森「私ね、ずっと自分に嘘ついてた。本当は笑うの下手なのに無理して笑って…
昔暗いってよく言われて。だから笑い上手になったの。
だけど、もうこんなの嫌なんだ。
皆の笑顔が一杯ふりかかったシチューを、皆で食べたい」
ごめん、と言わんばかりの顔をして自らリングを指からスッ、と外して南の掌にのせた。
悲しげに置かれたリングが、美森が苦しみながら頑張った選択なんだな、と思わせた。
美森は2年1組の皆の前にたつ。
美森「いいかな…?」
この選択に答えはあるのか。
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SNOOPY@菅田くん本気愛。(プロフ) - YUIさん» はいっ!応援ありがとうございます♪ (2015年3月17日 23時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)
YUI - SNOOPY@菅田くん本気愛。さん» 頑張って下さい! (2015年3月17日 19時) (レス) id: 53cb766e24 (このIDを非表示/違反報告)
SNOOPY@菅田くん本気愛。(プロフ) - YUIさん» ありがとうございます!ゆっくりですが頑張ります★続き楽しみにしててください笑 (2015年3月15日 21時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)
YUI - 更新頑張って下さい(p^-^)p続き気になります! (2015年3月15日 20時) (レス) id: 53cb766e24 (このIDを非表示/違反報告)
SNOOPY@菅田くん本気愛。(プロフ) - miyuさん» ありがとうございます♪ 私も大好きです夏樹くん!嬉しいです、頑張ります! (2015年2月21日 20時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)
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