□階段□ ページ32
放課後、ふらふらと玲奈の隣を歩いていると前方に忽ち時の人となったエミリーと壺井がいた。
こそこそと話をしているようだが、全く聞き取れない。
何やら話終わったのか、壺井はエミリーに言い聞かせるような素振りを見せて去っていった。はたから見れば、逃げているようにも見えた。
エミリーは暫く立ち尽くしていた。風が吹き抜ける度、髪が揺れる。
美森「あ、あれエミリーじゃん」
そう言ってエミリーを右手で指差す。
玲奈「さっき壺井が隣にいたんだけど!」
エミリーの誰もいない隣にくるくると指を回し円を描く。
南「何、置いてかれちゃった?」
腕を前で組んでエミリーに近づく。声に気づいたエミリーは、くるっ、とこちらに向いた。
エミリー「何よ」
玲奈「うわ、図星?」
前にいる南の背中からただならぬ狂気を感じた。
それを肯定するように、南はこう言った。
南「そう言えばもう要らないでしょ?」
エミリーの手のリングを指差す。
スッ、と手を持ち上げ、するりとリングを指から外した。
あ「エミリー指細いんだね本当に」
南「A変なこと言わないの」
鋭い視線が刺さった。ちょっとした黙れのサイン。
あ「褒め言葉ですよ」
ほほほ、とか適当にいいながら携帯の録音機能に切り変える。
エミリーは眉間にシワを寄せた。
南「もう一度言うわ。貴女には要らないわよね?プラチナじゃないんだし」
この1件だけでリングも消えるしプラチナだったことも消えるんだ。
そして--友情も消えるんだ。
南「1人が寂しいなら素直になれば」
エミリー「別に!そんなんじゃ」
そう強がるエミリー。シワが増え、裾を掴む力が強まっているのがわかる。
スカートをなびかせて南は歩いていく。その後ろを小走りでついていく玲奈と美森
私は3人に怪しまれないように遅れる、と言うメッセージを送り携帯をしまった。
あ「エミリー」
肩をビクッと震わすエミリー
名前を呼んでも振り返らず、足を進めない。
あ「なぁ、聞きたいことがあるんだけど」
顔を合わせようとしないエミリーに私は真正面に回り込んだ。
彼女の右腕を掴むと、触らないでよ!、と怒鳴られた。反射的に腕を離す
エミリー「ご、ごめん」
彼女は震えた腕を左手で押さえるように包む
あ「態度コロコロ変えてごめんな。今、話せる?」
コクン、と頷く彼女の手を取り、行動の裏のベンチへと歩いた。
ベンチに少し離れて腰を下ろす。
端と端に座る私とエミリー。無意識に距離をとっていた。
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SNOOPY@菅田くん本気愛。(プロフ) - YUIさん» はいっ!応援ありがとうございます♪ (2015年3月17日 23時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)
YUI - SNOOPY@菅田くん本気愛。さん» 頑張って下さい! (2015年3月17日 19時) (レス) id: 53cb766e24 (このIDを非表示/違反報告)
SNOOPY@菅田くん本気愛。(プロフ) - YUIさん» ありがとうございます!ゆっくりですが頑張ります★続き楽しみにしててください笑 (2015年3月15日 21時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)
YUI - 更新頑張って下さい(p^-^)p続き気になります! (2015年3月15日 20時) (レス) id: 53cb766e24 (このIDを非表示/違反報告)
SNOOPY@菅田くん本気愛。(プロフ) - miyuさん» ありがとうございます♪ 私も大好きです夏樹くん!嬉しいです、頑張ります! (2015年2月21日 20時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)
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