４ ページ6
ごし、と一度目を軽く擦り、クレハは大きく深呼吸をした。
クレハ「…やはり泣いてしもうたの。…泣かぬと決めたのじゃがなぁ…」
エーフィ「泣いたってえぇやん、何があきまへんのやら。」
クレハ「それじゃと昨日までの自分と変わらんじゃろ？」
エーフィ「ウチからすれば昨日も今日も変わらへんで！」
クレハ「…これから変わっていくんじゃよ！」
エーフィ「結局これからなんやん？」
こうした冗談交じりの会話が出来る事も、クレハにとってはまた幸せで。彼女は心の中でいつまでも続けば良いと思った。
クレハ「…皆、改めていつもありがとう。言葉にするのはちと苦手じゃて、滅多に言えておらぬが…そなた達は私の支えじゃよ！」
クレハの見えないところで、畳に転がる三つのボールが小さく揺れた。
クレハ「それでの、これからはポケモンへの態度を改めるべきかと思うて…」
ルカリオ「！？」
何故かルカリオがビクッと反応を示した。
途端に一斉に皆の視線がルカリオに向き、クレハはその光景にくすりと笑う。
クレハ「…んふ、心配せんでも手持ち総入れ替えなんかじゃないからの！…ただ、もっと皆に私の気持ちを言えるようにしようというだけじゃ。」
何か自分に思う事があったのだろうか、ルカリオは安心したように笑んだ。
クレハ「…大きいとは言ったが…やはりまだ十八。全くもって頼りない私だけど、どうかこれからも一緒に居てくれると非常に助かるしありがたいのじゃ！」
エーフィ「当たり前やん！」
ルカリオ「カウッ！」
徐々に、畳に刺す朝日も強さが増して遠くの方からもポッポの鳴く声が聞こえてきた。
クレハ「何度でも言う。そなた達は私の支えであり大事な、大事な仲間であり誇りじゃ。じゃから、もう少しだけお世話にならせておくれ。」
クレハの小さな腕と手が、静かに座る三匹を出来る限りめいっぱいに包み込む。完全には包み込めなかったが、それでも思い切り腕を伸ばし続けた。
クレハ「これからもよろしく頼むぞよ！ウインディ、エーフィ、ルカリオ！」
ぎゅっと力が込められるのを感じて、三匹はさらに寄り添うように、応えるようにそれぞれ身を寄せた。
少しだけ、クレハが成長した日であった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ポケットモンスター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らっこ(プロフ) - いつの間にか順位が付いておりました！閲覧・評価して下さった多数の方々、ありがとうございました！！話の関係でこの場でのご報告、お許し下さい。(また感謝イラストが描けたらいいなって思ってます(*´`)) (2019年8月28日 22時) (
レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - 87様さん» 閲覧頂きありがとうございました！彼は結構複雑なタイプですが、好きな物には真っ直ぐな子ですので！よろしくして頂けると幸いです(*´`)彼にはこれからの自分の辿りたい道を見つけて頂きたいものですね…！|ω`) (2019年8月14日 20時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
87様 - この作品好きです！ユズリハ君推しますね←ユズリハ君の将来はジムリでしたか…！俺得回でしたありがとうございました。← (2019年8月14日 20時) (レス) id: 1eaad9c94d (このIDを非表示/違反報告)
マジカルパティシエクッキー(プロフ) - らっこさん» わかりました！了解です！ (2019年7月28日 4時) (レス) id: ea02e12f92 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - マジカルパティシエクッキーさん» すみませんが一旦ボードの方でお話しても大丈夫でしょうか…？ (2019年7月27日 22時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らっこ | 作成日時：2019年7月7日 18時
