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大方予想はつきつつも、何も言わず俺はその人間一人分程の大きさの布団玉に歩み寄り、ぐっと裾を握る。
コウハ「でりゃごらユズリハだろ!!!」
思い切り腕を振り上げそいつから布団をひっぺがそうと試みたが、…案の定ユズリハは布団と一心同体の関係。がっしりと布団にしがみついており離すことは出来なかった。
が、もぞもぞと蠢きながら且つ顔を埋めたまま、ユズリハは恨み言を言うかのようなトーンでぼそぼそと話した。
ユズリハ「…信じらんない……コウハだけは絶対に僕から布団を剥がさないって…寝かせてくれるって信じてたのに………」
コウハ「えー!ちょっと待てよ先に言えよバカー!なら俺そっとしてたのにー!!」
ユズリハ「朝からうるさい……」
コウハ「すまんー!(小声)」
俺もユズリハの寒がりはもちろん知っている。そっとしておいてやるべきか!!寝る子は育つって言うしな!!二度寝が悪い訳じゃねぇし!俺自己ベスト五度寝だし!!それに比べたら長い瞬きだよな!!!
コウハ「……ってなると思ったかバカめ!!」
ユズリハ「ほんっと信じらんないから!!」
俺はぐいーっと大きく布団にカーブをつけ、無理やりにでもユズリハを離した。一周回って面白いくらいにごろごろと綺麗にユズリハは転げ落ち、暫くの後ぴたりと動きを止めた。そしてむくりと上半身を重たそうに上げる。
コウハ「ほらお前も準備しろな、多分出るの早いぜ。」
ユズリハ「……ジャージで寝るって素晴らしいんだよ…」
コウハ「お前それ完全にニートだぞ?」
ユズリハ「…良いんだよまだ十五だから。」
コウハ「……若いって良いよな。」
俺はそのまま回収した布団を抱えて階段を上り、ユズリハの部屋に放り投げた。
ぼふんと低めの重たい音を立てたそれは、とても寝心地が良さそうだった。
コウハ「クーさん、準備はでーきーまーしーたーか!!」
クレハ「ばっちりじゃよ!!」
コウハ「よっ、今朝もキマってるね!!」
その間にどうやら姉妹組は準備を整えていたようで、確認をするとクレハは眩しいくらいの笑顔を振りまいた。
オウハさん。俺の背後で連写するのはお控え願えますか。
そして俺は一番に外に出て、特別朝に強いトロを出し準備完了。後から来た姉弟も各々のポケモンを出し始めた。
オウハ「じゃあ、そろそろ行きましょうか。」
朝早く、俺達ジャージ四人組はそれぞれのポケモンに乗り我が家を出た。
3一方その頃シンオウのどこか→←Story16.つの子さんこっちです。1
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らっこ(プロフ) - いつの間にか順位が付いておりました!閲覧・評価して下さった多数の方々、ありがとうございました!!話の関係でこの場でのご報告、お許し下さい。(また感謝イラストが描けたらいいなって思ってます(*´`)) (2019年8月28日 22時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - 87様さん» 閲覧頂きありがとうございました!彼は結構複雑なタイプですが、好きな物には真っ直ぐな子ですので!よろしくして頂けると幸いです(*´`)彼にはこれからの自分の辿りたい道を見つけて頂きたいものですね…!|ω`) (2019年8月14日 20時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
87様 - この作品好きです!ユズリハ君推しますね←ユズリハ君の将来はジムリでしたか…!俺得回でしたありがとうございました。← (2019年8月14日 20時) (レス) id: 1eaad9c94d (このIDを非表示/違反報告)
マジカルパティシエクッキー(プロフ) - らっこさん» わかりました!了解です! (2019年7月28日 4時) (レス) id: ea02e12f92 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - マジカルパティシエクッキーさん» すみませんが一旦ボードの方でお話しても大丈夫でしょうか…? (2019年7月27日 22時) (レス) id: 42979ffc68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らっこ | 作成日時:2019年7月7日 18時