検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:12,869 hit

その陽射しは優しく煌めく ページ37

「ねえ君、どこから来たの?ここの近く?」
「名前、何て言うの?」
「え、ええと…!」
少しの間だけならと、彼女と共にバスで行ける範囲にある海に来た。
ここで涼んでて、と言って売店に走っていく
彼女を見送って少し経った頃に、この人達が来た。
どうしよう、どうしよう…!
「何で何も言わないの?
もしかして俺らに照れてる?」
やだ、怖い…!
その後ろから足音と彼女の声が聞こえ、堪らずそちらに向かう。
「凜…、もう大丈夫だよ。」
「あれ、お友達?こっちの娘の方が可愛いじゃん!
でも何でAライン水着?こっちの方が胸でかそうなのに。」
「…すみません。私の彼女に何か様でしたか?
この娘を私と比べて侮辱する様な人とは
話したくないので、失礼します。」
両手にある飲み物を一つ私に手渡し、空いた手で私の腰を抱いて
彼らとは違う方向に歩き出した。

「ごめんね、凜。
来て早々あんな目に合わせちゃって。
売店がちょっと遠い所にあったから、
凜に暑い中を歩かせる訳に行かなくて。」
「良いの。だってひなちゃんが来てくれたもん。
それに、私の誕生日に海でデートって言うだけで嬉しくて仕方無いの。」
ふふふと声を漏らして笑うと、彼女がそっかと微笑んだ。
「あんまり酷いと大人の人を呼ぼうかと思ってたけど、
ナンパだけで済んで良かったよ。」
「ひなちゃんならともかく、まさか私がされるとは思ってなかったよ。
…それにしても、本当にその水着で良かったの?」
「うん。だって凜とお揃いだからね。」
「その…、ひなちゃんならビキニでも似合うと思うんだけど…。」
「敢えてこう言う言い方したら…。」
彼女は私の肩に軽く手を回して耳元に唇を近付けてこう続けた。
「私のおへそを見て良いのは、凜だけだよ。」
「ば、ばかぁ…。」
思わず首元に顔を埋める。
そうしていると、彼女に髪をそっと撫でられた。
顔を上げると、そのまま口付けられる。
少し経って唇を離すと、肩にあった彼女の手がまた腰に移動した。
同じ様に私も彼女の腰に腕を回す。
「海でこんな事するなんて、何かリア充みたい。」
「紛う事無きリア充でしょ。
それで、本当にプレゼントはこれで良いの?」
「うん。だってひなちゃんといられるだけで嬉しいもん。
それに…ひなちゃんからは、もういっぱい貰ってるから。」
彼女が、私の腰を強く抱いた気がした。

物理的に、精神的に、そして肉体的に。
沢山の愛を彼女から感じるだけで満たされる。
次の彼女の誕生日には、それ以上に返さなきゃ。

[双百合]熱演の後で→←初夜の前に重なり合う ※微裏注意



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:百合 , 短編 , オリジナル   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年12月7日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。