Episode14 -3 ページ41
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きょろきょろしながら私たちはお弁当の棚の前で立ち止まる。
「お弁当買うの？」
「おう。明日の分な。さすがにしばらく籠ってた方がいいだろ」
「そっか、確かに」
「あとニノへの駄賃だ」
「なんの？」
「家の提供」
言いながら潤くんはハンバーグの入ったお弁当を手に取った。
時間が時間なので商品はあんまり残っていない。
「お前も好きなの買っとけよ」
「はーい」
数少ない商品に目を通す。
正直今はあんまり食欲がわかないからどれを見ても美味しそうには見えないんだけど。
たぶん明日になれば物理的にお腹は空くはずなので選ばないわけにもいかない。
この先どんな日々になるかわからないのだから栄養は大事だ。
けど、やっぱり今は食欲がわかなくて悩みながら私はお蕎麦のパックを手に取った。
「それだけでいいのか？」
「うん。どうも食欲湧かなくて」
「そっか。じゃあ明日はクッキーでも焼いてやるよ」
「いいの？」
「おう。お前が食べたいなら何でも作ってやる」
優しく言った潤くんは自分用らしきかつ丼とおにぎりをいくつかカゴに放り込んだ。
続いて反対側のパンの棚から菓子パンをいくつかカゴに入れる。
「パンも食べるの？」
「ああ、チビたちがな」
カゴの中身を確認すると続いて潤くんは飲み物の棚を見た。
「冷たいのいる？」
「私は今は平気だけど…買って置いた方がいい？」
「いくつか買っとくか。帰ったらなんか飲むよな」
二人で話しながら水とお茶、それからジュースを数本買い込むことにする。
くるり、身体を反転させた潤くんはお菓子の列を見つめていた。
「スナックも買ってくか」
「ねぇ潤くん、こんなにのんびりしてて平気かな？」
「平気平気」
なんだか遠足の準備でもしてるような気分になってきた。
潤くんはうきうきとお菓子を選んでいる。
なんだかずいぶん余裕があるけど、大丈夫かな。
なんて、心配していても仕方ないんだけど。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年12月10日 17時
