【逆ハー注意】男装腐女子の魔法科男子校潜入記【3】

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バトルロワイアルはほかの競技と比べて盛り上がる上参加者の危険も大きく、だけどその分得た得点の配分は大きい。
何が言いたいかって言うと、二位だった赤組は、私とテオ先輩の健闘のおかげで一位に返り咲いたということだ。

赤組に君臨するテオ先輩が運動委員会からトロフィーを受け取り、隣に立っている二位の青組代表である会長からネチネチ言われてるのが遠目でもわかった。テオ先輩なんかすまん。

なんとか無事に運動会はそれで終わり、閉会式を迎えた。
ちなみに不機嫌すぎて会長は閉会式では一言もしゃべらず、ヴァ―ノンさんがその場を取り仕切り運動会を終わらせた。
そして舞台袖で私は今会長に迫られている。

背中には壁、両側には会長の腕、そして目の前にはこれでもかというほど整った顔立ち。
つまるところ壁ドンだ。私じゃなくてチワワに以下略。

「……何か御用でしょうか会長サマ」

あ、声が震える。ごめんねだってチキンなの。

「何の用じゃねぇよ、庶務風情が随分偉そうになったもんだなぁ？ おい……テオを味方にまでつけやがって……」
「テオフィール先輩はただ赤組を勝たせたかっただけだと思いますっ……」
「とぼけんじゃねぇよ……ただの一生徒にテオが素を出すわけねぇだろうがよ……」
「あ、しっかり聞いてらっしゃった……」

テオ先輩、会長を倒す直前しっかりタメだったし呼び捨てだったからね。
とぼけられんか。

「……あれは偶然で」
「どういう経緯かはどうでもいいんだよ。調子に乗ってんじゃねぇっつってんだ」
「えぇええ理不尽」

乗ってないもん。
ヘルプを求めにほかの生徒会役員を見てみれば、諦めろと首を振られた。まさかのリデルにすら。気が済むまでやらせてやれというわけらしい。私を犠牲に。

まぁ確かに今回の運動会、テオ先輩に転がされてばっかりで格好いいところ見れなかったもんなぁ。鬱憤もたまるよな、特に潜在能力もプライドも高い会長なら。

「……要所要所ではテオ先輩より会長のほうが上なんでしょう？」
「あぁ？ ふざけんな全部上だ」
「はいはい……じゃあなおさら怒る理由ないじゃないですか。フェアな条件で戦えば俺は勝てるって高みの見物してればいいんですよ。今回は勝たせてやっただけだ、本気でやれば俺が勝てる。そうやって怒ってると負け惜しみにしか見えないですよ」
「誰が負け惜しみだ、あぁ゛？」
「あだだだだ話聞かないこの人」

頭蓋骨を鷲掴みにされた。ミシミシ言ってる。

「……生意気なんだよ、お前」

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