【逆ハー注意】男装腐女子の魔法科男子校潜入記【2】

98ねむ ページ49

すぐに第一走者の番は終え、第二走者へ。
さらに迫力を増し過激になった攻防戦に、もう肉眼では煙のせいで何も見えなくなっている。放送委員会が煙の中も撮れるカメラでようやく見えるけど、すごい。よく走りながら光魔法とか風魔法とか土魔法とか使えるな。
隣にいるエドもたぶんできるんだろうなぁ。やば、バトロワ本格的に怖くなってきた。

「……やばぁ」
「けッ、あんなんまだまだ未熟だ」

バトロワ超怖い。

そしてすぐさまバトンは最終走者の手元へ。
現在の順位は青組、赤組、そして白組だ。すぐさま走り出した会長に、遅れてテオ先輩が走る。

すぐさま会長が闇魔法でテオ先輩の道をふさぐ。
が、テオ先輩は簡単に光魔法でその闇魔法をかき消し走行を続けた。その間、おそらくスピード系の補助魔法を自分にかけたのだろうぐんぐんスピードが上がっている。
会長はひたすら攻撃を繰り返していて、テオ先輩は対抗魔法でかき消してる。二人の距離は縮まるが、けして追い越すことはない。

「会長勝つかな」
「あの風紀委員長がそこで終わるわけねぇ」

そこで、テオ先輩が手を振りかざす。
あれは、土魔法か？だが見えたのは小さい魔法陣だけで、効果は見えない。
その時、

会長が転びかけた。

何かに足をひっかけたのだろう、がくりと体を傾けさせるが何とか左足で踏みとどまる。
だがその数秒で、テオ先輩には十分だった。

「……えっ、待って」
「……なかなかいけ好かねぇな、風紀の野郎も」
「ぶふっ……まじで言ってる？」

テオ先輩が使った土魔法は、至極小さいものだった。そう、石ころを作るくらいの。
会長の足元に石ころを作り、それで転ばせたのだ。

ごめんテオ先輩。
こればかりは、会長の気持ちを汲み取ってしまった。これはさすがに会長怒るわ。

並走した二人はその後ひたすら攻撃、防御、補助魔法を使い、引き分けでゴール。
ゴールした会長がテオ先輩に掴みかかっているのがよく見えた。うん、テオ先輩は怒られてくるといい。

「だが気味がいい。あの糞野郎が弄ばれてんのを見んのは」
「おうおう、会長恨まれてんなぁ」
「おら、行くぞ」
「え、どこに？」

立ち上がったエドを見上げきょとんとしていると、エドが呆れたように私を見下ろしてきた。

「昼飯」
「あぁ、もうそんな時間か」

ってことは昼休憩を挟んだら、バトロワ……うっ食欲が消えうせた。ストレスで胃が痛い。

「そろそろ双子が来」
「「ホノホノー！ ごはんたーべよー！」」

エド、双子予知説。

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