48ねむ ページ49
「おい、お前どうやってあいつらを手懐けたんだ」
「知りませんよぉ」
「おい、そのニヤニヤ顔やめろ」
腹たつ、と頭を小突かれて私の頭は大きく右に傾げられる。その際無理してしまった首がゴキ、だなんて音をだしたが気にすることなく私の顔には満面の笑みだ。
会長さんは多数決で負けたことがとても悔しかったみたいで、食堂での一件をすっぽり頭から外して今は生徒会役員から好かれる方法を私にしつこく聞いてきてる。
どうでもいいけど仕事は？
「Aさんはちゃんと仕事してくれますから」
「あ？ ヴァーノンてめぇ、俺が仕事してねぇっていうのか」
「ヴィル、あなた今Aさんの邪魔しかしてないように見えるんだけど」
にっこりと王子様スマイルを炸裂したのは副会長のヴァーノンさん。
ちなみについ口が滑って愛称で呼んでることについて聞いてみれば、どうやら親同士が仲良し幼馴染らしい。幼い頃から芽生える愛。萌え。
「チッ」
短い舌打ちを一つ残して、会長さんは渋々自分の席に戻って行った。
ようやく私は仕事に集中できる。
それにしても。
うーん、と大きく背伸びをすると、椅子がぎしりと軋んだ。
背中の筋肉が伸ばせる感覚がとても気持ちよくて、つい顔がほころんでしまう。
会長にクビ宣言された時は諦めて潔く去る覚悟はすぐできたけど、みんなに引き止めてもらえるとは思っていなかった。アルくんは知らないけど、リデルやヴァーノンさんには嫌われていないということか。うん、嬉しいな。
「皆さんの飲み物淹れてきますね！」
席を立ち、エルフを召喚しつつ言うと、いつものー、と声がかかってくる。
うん、アルくんはカフェオレ、リデルは煎茶、ヴァーノンさんは紅茶。
「会長さんはココアですか？」
「いや、今日はコーヒーがいい」
お、珍しい。
短く返事をよこして、私は給湯室の中に入って行った。先に中に入って行ったエルフが、慣れた手つきでコップを洗っていた。もうこの作業も本当に慣れたものである。
二人で立っていてもまだまだ余裕がある給湯室。扉を閉めてしまえばもう私とエルフの二人だけの世界で、思わず鼻歌を歌ってしまう。エルフも目を閉じてそれを堪能しているようで、あぁほんっと美人。
「いつもありがとうね、エルフ」
そう伝えると、エルフは目を細めて微笑んだ。
召喚獣のほとんどは言葉を喋らないが、こちらの言葉は理解できる。嬉しそうに微笑んだエルフに私もつられてしまい、ついついお湯を手のひらにこぼしてしまった。
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 礼羅さん» きゃーありがとうございます！生きる糧なんて嬉しい！ゆっくりですが更新頑張ります。これからどんどんキャラ増やすのでどんどん推しが増えますように！ (2018年7月18日 10時) (
レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ウィワクシアさん» ショートだったのですね……主人公にはない魅力です……！ (2018年7月18日 10時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ほたるいかさん» えぇえぇええ嬉しい！ゆっくりになりますが更新頑張ります！ (2018年7月18日 10時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
礼羅(プロフ) - 毎話楽しみにしています。本当に素晴らしい作品で、もう生きる糧の一つのようなものです！更新待ってます！ ちなみに私の推しは主人公とエドです (2018年6月20日 18時) (レス) id: f42c81b12e (このIDを非表示/違反報告)
ウィワクシア(プロフ) - これ読んでたら高校時代スラックスで通って｢どっちですか｣って聞かれまくったの思い出した (2018年5月22日 19時) (レス) id: 4474fbdae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：始まりの神 | 作者ホームページ：
作成日時：2015年8月6日 13時
