34ねむ ページ35
ユーリさんに背中を押されて、私は素直に従う。ついでにオオカミくんを呼ぶのを忘れない。
どうやらユーリさんは私を騒ぎの中心から外そうとしているようだ。もしかして風紀委員長さんは私から大衆の意識を逸らすための囮になってくれているのだろうか。
風紀委員たちに囲まれて何とか食堂を抜け出すことができた私たちに、ユーリさんはそっと耳打ちした。
「すっごいじゃーん、あの会長を怒らせるなんてさ」
「いや、正直後先考えない発言だったんで今になってちょっとやばいなーって思ってるんですけど、やばいですよね？」
「うん、すっごいやばい！」
目をきらきらと子供のように純粋に光らせて言う言葉ではないなぁ。
もともと平穏な学園生活を望んでいたわけでもないし別に構わないが、必要以上のいざこざや争いは好ましくない。後ろ髪を爪で軽く引っ掻いてから、私は憂鬱そうにため息をついた。
そんな私の様子を見て、オオカミくんは所在なさげに視線をうろつかせた。
「……お前、俺には黙っとけとか言ってたくせに」
「だぁってオオカミくんの悪口ばっか言うんだぜ？ それに俺はすでに補佐として目の敵にされてるからいいかなーって」
「あぁ、そうだった、その件だよ！」
急に私たち二人の話し合いに割り込んできたユーリさんはずいっと私に顔を近づけてくる。昼間と同じラベンダーの匂いがふわりと漂って、どことなく張りつめていた肩が緩む。そういえばラベンダーにはリラックスの効果があった気がする。
そんなことを思っていると、ユーリさんはいきなり私のズボンのポケットに手を突っ込んできた。
「ひぇっ」
予期せぬ感覚と突然のことにあられもない声を出してしまい、あわてて右手で口を押える。目の前ではオオカミくんが汚物を見るような目で見てきていた。なんて濁った眼なんだ。
その間にユーリさんは私の後ろポケットから携帯を取り出していた。あわてて取り返そうとするも、私の手を避けられてさらにはガードされる。私の携帯なんですけど！この学園専用とはいえ個人情報なんですけど！
そんな個人情報を露とも気にしないらしいユーリさん、そのまま何やらピコピコと私の携帯で何かをし始める。昼間に諫めてくれた辰巳先輩も、たぶん風紀副委員長として委員長さんの隣にいるはずだ。
「はい、これ僕の番号」
「へ」
プライバシーについて嘆いていたら、すぐさま携帯を返された。
「それ、僕の番号。何かあったら連絡しな」
「貴方が天使か」
「当然でしょ？」
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 礼羅さん» きゃーありがとうございます！生きる糧なんて嬉しい！ゆっくりですが更新頑張ります。これからどんどんキャラ増やすのでどんどん推しが増えますように！ (2018年7月18日 10時) (
レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ウィワクシアさん» ショートだったのですね……主人公にはない魅力です……！ (2018年7月18日 10時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ほたるいかさん» えぇえぇええ嬉しい！ゆっくりになりますが更新頑張ります！ (2018年7月18日 10時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
礼羅(プロフ) - 毎話楽しみにしています。本当に素晴らしい作品で、もう生きる糧の一つのようなものです！更新待ってます！ ちなみに私の推しは主人公とエドです (2018年6月20日 18時) (レス) id: f42c81b12e (このIDを非表示/違反報告)
ウィワクシア(プロフ) - これ読んでたら高校時代スラックスで通って｢どっちですか｣って聞かれまくったの思い出した (2018年5月22日 19時) (レス) id: 4474fbdae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：始まりの神 | 作者ホームページ：
作成日時：2015年8月6日 13時
