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Ep.5 -旅の槍兵と夜のウルク- ページ11

A目線


貴『あ〜あ。すっかり夕方になっちまったな。』

俺はそう呟きながら
エビフ山の向こう側に沈む太陽を眺めていた。

空は太陽がある所だけはまだ赤く、
上からは深い青と闇が刻刻と迫って来ていた。

風も夜に連れて冷たくなり、
ここまで走り通しだった俺の火照った肌と
闇に溶ける様な色の自身の黒髪を
優しく撫でていった。

貴『…太陽の光があるうちに、
都市を探さねぇとな。』

俺はそう呟きながら、
見晴らしの良いところに移動する。



俺は、太陽が真上にある昼のうちに
山を真っ直ぐ越えて
兵士たちが忙しなく働く壁を越えた。

山脈を越えてもそのまま走り続け、
今は高原にいる。

…何故高原にいるかって?
勿論、都市を探す為だ。

貴『普段なら野営で良いんだが、
最近は気が立った魔獣が多いしな…。
流石の俺でもおちおち寝てらんねぇ。』

そんな事をぼやきながら
都市を探す様にぐるりと周囲を見渡した。

すると、案外すぐ都市は見つけられた。
壁に囲まれた都市のようだ。

壁の内側からは所々から煙が上がっており
人間による文明があることを示していた。

門からの出入りも案外大丈夫そうだ。
殺気を感じない。

俺は堪えられない好奇心を顔に出しながら
馬に飛び乗り
その都市に向かって走り出した。



貴『これでよし!
門番さんがめっちゃ良い奴で助かったぜ。』

馬を預けられる厩舎に馬を預け
ひと仕事を終えた気分で伸びをする。

空を見やると、
深い青と闇が入り交じった空に
月がぽっかりと浮かんでいた。

厩舎の場所が分からなかった俺を
門番さんが見つけて
そこまで連れて行ってくれたのだ。

その後すぐ仕事に帰ってしまったが、
彼いわく、
「人の顔を覚えるのが得意なのです。
だから門番として王様に配役して頂けました。」
…だ、そうだ。

中々の配役だ。
ここの王は、さぞかし頭が切れる奴なのだろう。

そんなことを考えながら、
街をぶらりと練り歩く。

貴『ここがウルクねぇ…。
小さい頃の記憶こそ無ぇが、
結構繁栄してんだなって事くらいは分かるな。』

そう呟いている内に
美味しそうな肉料理屋を見つけ、
少し遅めの晩飯にした。



貴『ふー、食った食った。
まともな飯とか何時ぶりだよコレ。』

膨らんだ腹をさすりながら街を歩く。
満足感で顔がにやける。

さて、次は酒と行きたいな…
そう思った俺の耳に騒ぎ声が届いた。

貴『…全く、物騒だなぁ。』

そうため息混じりに呟くと、
その騒ぎの根源に足を向けた。

Ep.6 -雇われ槍兵と王の遭遇-→←Ep.4 -槍兵のご帰還-



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ヨル(プロフ) - もなかさん» 感想有難うございます〜!頑張りますね! (2020年4月23日 1時) (レス) id: a8e58dbd43 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - すごいおもしろいです!!!更新頑張ってください!! (2020年4月22日 15時) (レス) id: ba3cbcb107 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - ディアさん» 有難うございます〜!頑張りますね!(*^^*) (2020年4月16日 12時) (レス) id: a8e58dbd43 (このIDを非表示/違反報告)
ディア - めちゃめちゃ面白いです!お話の続き楽しみにしてます!更新頑張って下さい!^ - ^ (2020年4月12日 22時) (レス) id: f4badc1d91 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - 柚夜─YUYA─さん» 感想有難うございます!面白いと言って頂けて嬉しいです〜!更新頑張りますね! (2020年4月9日 23時) (レス) id: a8e58dbd43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蜜柑飴 | 作成日時:2020年1月26日 20時

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