＊ ページ37
・
「昼とかに逃げればええやん」
「だってショッピ過保護タイプでしょ？」
「せやな」
「なら家から出れないように外鍵にしてあるだろうし、逃げられないじゃん。同意の上の外出なら鍵は渡されてると思うし、だからじゃない？」
外からしか開けられないなら家から出られない。となればショッピが留守にしている間は無理だろうし、家にいるなら尚更だ。
そうなると鍵を所持した状態で逃げ出さなければならない。
つまり鍵を持った状態かつ、ショッピの目を盗める状況でなければ逃げられない。
「だから泊まるなんて嘘をついて帰ってきたってことか」
「チーノ、合ってる？」
「進めればわかるんとちゃう」
確かにそうだ。
温度ない目で睨んでくるゲームのショッピは、私の嘘を更に剥がしに来る。
『ならこんな深夜を回るまで何してたん？』
『それは……』
→遊んでいたと言う
→言い淀む
「誤魔化し通せるかな」
「確信は得てないみたいやし、いけるんとちゃう」
なら遊んでたことにするか。
『だから、遊んでたんだよ。ゲームしたり……』
『Aの中では逃走計画も遊びのうちに入るんや』
「えっばれてる」
「俺別にエスパーちゃうんやけど」
ゲームの私も混乱する。そらそうだ。
『そんなわけないじゃん！ 逃げるなんて……』
『ならこれはなんなん？』
そう言ってショッピはスマホを渡してきた。画面は音声データが表示されている。
「ああ、そういうこと……」
「盗聴してたんか」
ただ一人わかっていないゲームの私は再生ボタンをタップする。すると私と、おそらく友人の声が流れる。
『彼氏が過保護でさ、門限も決められてるし一人じゃ滅多に外出も出来ないんだよね』
『えー！ なにそれ、別れないの？』
『別れられる気がしなくて……』
『じゃあ自然消滅を狙おうよ！ うちにおいで』
『じゃあ遊んでたことにして、泊まるって言って寝た頃にこっそり荷物取りに帰ってきなよ』
『うん、そうする』
『連絡してから三十分経ったし、移動時間考えたら多分もう寝てると思うから行ってくるね』
『うん、気をつけて』
話の内容的に、今日一日の会話だけではないのだろう。そうすると、ショッピは以前から私に盗聴器を仕掛けていたのか。
ゲームの私もまさか盗聴されているとは思っていなかったらしく、明らかに動揺している。
『なん、なんで？ 盗聴してたの？ ありえない！』
『悪い友達と遊んでたらって心配やったから見守ってたら案の定や』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1628人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鹿野ユズナ(プロフ) - 逆に夢主ちゃんのヤンデレを攻略する主役も面白そうだな、と考えが溢れて止みません。もしやお花畑様天才ですか？夢主ちゃんや物語に詰め込まれた魅力がすごいです。続編移行お疲れ様です。これからも頑張ってください！ (2020年10月6日 0時) (
レス) id: 6c05b173a1 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - 鹿野ユズナさん» コメントありがとうございます！そこのところ、どうなるんでしょうね？怖がるのか冗談めかして流すのか、それともノリなのか本気なのかはさておいて一緒になってヤンデレになるのか……。私も知りたいです (2020年10月5日 20時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - これ、実際にゲームみたいなこと主役たちに言われた夢主ちゃんの反応も気になりますよね……悪ふざけなのかガチなのかは置いておいて（にっこり） (2020年10月5日 18時) (レス) id: 6c05b173a1 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - 悠さん» ありがとうございます！そろそろ続編へ移行するので、続編も読んでいただけると嬉しいです…！ (2020年10月3日 14時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - (*＾＾*)最高や.......(脳溶けた)スマホ没収されっとって見れへんかったけど、返してもらって見たら.......うん、最高や.......(＾p＾) (2020年10月3日 13時) (レス) id: 8d0048bdd7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：脳内お花畑
| 作成日時：2020年9月14日 19時
