久々の食事 ページ37
ここ数日前、サバイバーたちはついに館に見張りをつけはじめた。そのせいで捕食はうまくいかず、ここ最近は行方不明者は出なくなった。
そのせいで腹が鳴って仕方がない。
「はあ......」
大きくため息をつき、拳銃を手に取る。よく手入れされたそれは、部屋の照明に照らされてきらきらと反射している。
イライは今頃どうしているだろうか。
ふと頭によぎる存在に恋しさを覚える。
あいつのことだから消えていく仲間たちに無駄な罪悪感を抱いているのではないだろうか。
そうだとしたら、今の俺はあいつに何ができる。俺たちはもう兄弟ではないことを思い出してしまっている。
......何はともあれもうすぐゲームが控えている。今回こそは奴らを食らうと決めているのだ。
「...Now I repent all of them.」
神に懺悔などする俺は随分と滑稽なのだろう。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿
＿
今回のサバイバーはマジシャン、冒険家、祭祀、調香師だ。
解読班が冒険家しか居ないため、少し心許なくはないだろうか？いや、解読班は俺が殆ど食ったのだった。
ステージは湖畔村。初めてのところだ。特に気にすることは無い。いつもどうり殺ればいいだけの話なのだから。
千里眼……もとい無形の落とし子の力でサバイバー達を探す。近くの暗号機に1人、右端の方に1人、船上に1人、船近くに1人。
ふむ。今回は俺から遠いのが沢山いるな。まずは近くの……小屋中の暗号機を触っているやつから。
小屋に近づき、中を覗くとそこには調香師が。調香師はこちらに気づくと手を話しながらこちらを見やる。
……なぜ逃げない？
「あら、攻撃しないのかしら」
「……お前こそなぜ逃げない」
「そうねえ……実は私あなたに聞きたいことがあるの」
行方不明事件のこと。
確信めいた声でこちらに問いかける。あなたが犯人ではないか。なんて。
「……大丈夫。お前も直に同じになるさ」
それを聞いた瞬間彼女は走り出す。多分逃げ切り仲間に伝えるつもりなのだろう。
だが世界はそんなに甘くないんだ。
……楽に、殺してやるから
アスレチックの窓枠を越えようとした所に1発。うん。やっぱり窓枠越えや板を倒した後に撃つのが一番いい。
ダウンした所をすかさず追撃。脳天に1発ぶち込み、無力化する。
…あっけない。人とはこんなに脆かっただろうか？
自分で自分を撃ち、本体を出す。捕食をし、次を探すために歩き出した。
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 106人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゼロ(プロフ) - なんかクトゥルフ？とかわからないけど読んでみたら面白かったです！ (2020年6月21日 23時) (
レス) id: c3efaf6a5b (このIDを非表示/違反報告)
外国製烏(プロフ) - 月さん» ありがとうございます！光栄です！ (2019年6月1日 13時) (レス) id: 19489dbd8a (このIDを非表示/違反報告)
月 - 面白いですね！ (2019年5月31日 19時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：外国製烏 | 作成日時：2019年5月24日 18時
