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一"地獄の門" ページ3

下界のどこか、地獄へと繋がる門があった。
そこに立つ少女がひとり、自分の背丈より遥かに大きい門を見上げていた。

彼女は閻凱シラバ。鬼に家族を殺され村を破壊された悲しき人間の末路である。身に纏う白無地の着物は血に染まり、母の肩身である羽織は切り裂かれボロボロになっていた。

目の前で両親が食われた。自分は巨大な棒かなにかに叩き潰され、ぐちゃぐちゃになった。気づけば、挽肉のような自分だったものをただ呆然と見つめていた。
自分は天に召されず、仏にも救済されなかった。誰も迎えにこない、荒れ果てた村でただひとり縛られ続ける地縛霊となるのではないか。
憎い、全てが憎い。あの鬼はどこだ、叩き斬って晒し首にしてやろうではないか。どこだどこだと血の匂いで噎せそうになる死体の山の中、血まみれになった太刀を振り回しながら吠えていた。
数日後、村をあとにした。思い出を振り返ることなどない。彼女の中にはもう憎しみしかない。彼女は、復讐に縛られ続ける怨霊に成り果ててしまったのだ。

あれから何十年経っただろうか。どこにもあの鬼はいなくて、ただ時間だけが無意味に過ぎていった。彼女は恐怖を感じていた。この怒りが風化していくこと。そして、自分は本当に救済されないのではないかということに。
恐怖と憎しみを抱えながらさ迷い続け、ついにある日、人生の転機とも言える日が訪れた。

なんと、世界が棲み分けされ妖怪は地獄に移ったとのことだったのだ。六十年さ迷い続けた中で、初めて喜びを感じた。そして同時に強い憎しみが沸くのを感じた。
ああ、ああ。この手で奴を斬り捨てられるぞ。と、彼女は必死に地獄へと通じる門を探した。
そして今に至るのだ───


見つけたはいいものの、固く閉ざされた鉄の扉を開くことは容易ではない。自分は非力な怨霊だ。元はひ弱な農家の娘だというのに。どうしたものか。
魂がすり抜けることを許さないこの扉をどう開けるか、そう考えていた矢先だった。
なんと、門番がいるではないか。しかも熟睡中だ。見ろこの間抜け面を、涎が滝のようだ。
岩に座り居眠りをしている門番。こいつは利用価値があるとシラバは判断した。

「おい、そこの妖怪」
目の前で眠る妖怪の頭を掴む。
まだ眠っている。

「ほう、そんなに斬り捨てられたいか」
ボロボロの鞘から刀を抜いた。すると目の前の妖怪が目を覚ましたではないか。

「くぁ〜・・・・・・」
気だるそうに奴は欠伸をした。
これが悪夢の始まりであった。

二."極悪非道"→←登場人物ver.1



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ほうじょう(プロフ) - 朝霜91さん» ありがとうございます。また、他サイトの方に長尺版を投稿する予定ですのでそちらもどうぞよろしくお願い致します! (2月16日 11時) (レス) id: 8d38d20e51 (このIDを非表示/違反報告)
朝霜91(プロフ) - こみゅ〜から来ました!宣伝効果すごいですね!面白かったです! (2月16日 9時) (レス) id: 28c0056888 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:北条 | 作者ホームページ:https://twitter.com/SiriZ_omarl?s=09  
作成日時:2018年2月15日 1時

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