【現パロ金カム】紅影 (ページ5)

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第三話ページ5

あの子は一体何なんだろうか。
杉元はついその事ばかり考えてしまい、仕事が手につかなくなってしまった。

_______あの子は.....あの子は自分の名前を知っていて、そして、夢の中でもでてきた。

まさか.....運命の赤い糸でむすばれた...2人なのかッ...！

杉元はそんな乙女チックな考えを出すが、すぐさまそんな夢から覚める。

今思えば、俺は20代だし、あの子は制服から見て中学生。
結ばれるには年の差がありすぎだ。

冷静に考えると、夢ででてきたからと言って現実でもその記憶を共通しているかなんて考えたら現実離れしているし、しかも知らない赤の他人だし...

考えれば考えるだけ無駄になってきた。
そして一方虚しくも思えてきた。

___________

今日の仕事は雨の為、早めに終わった。
だが、特に家に帰ったとしてもやることが無い。

途方に暮れ、まだ日のあるうちにデパートの3階のゲームセンターで暇を潰すことにした。

でんでん太鼓の達人や、クレーンゲーム、コインゲームにパチンコも揃ったゲームコーナーは、暇を持て余すのには画期的だった。

.....筈なのだが、やはりあの少女が頭に残っている。
たった一人の少女だけでロリコンの沼に堕ちるなんて思ってもいなかった。

ジムにでも行って気分転換でもしようかと考え、ゲームセンターを離れようと歩く。
だが、その後間もなく

ジリリリリリッ！！！_______

火災ベルが鳴り響いた。

「は、はぁ！？なんだよ！」

突然の事で頭がついてゆかない。
そして、それと共に小さな焦りが生まれた。

皆、階段から1階に向かう為走り回るが、自分の頭は回らず、何をすれば良いのかアタフタとしていた。

そうこうしている間にここの空間は黒い煙に包まれる。もう、非常階段すら分からなかった。

「杉元ッ！！」

その時、力強い声が遠くで自分を呼んだ。
大人の声ではない。
少女の声だ。

「ゲホッ...ガッ...！？」

空気中の灰を吸い込み咳き込む。
余計苦しくなって...息をするのもままならない。
ついに杉元は膝を着いた。

だが、少女は必死に自分の名前を叫んだ。
杉元は出せる声を振り絞ってその声に答える

「俺はここだ！！」

その声に反応したのか、何者かがこちらに走ってくる。そして、その足が視界に入ってきた。

その足を辿って上を見上げる。
その子は、

「杉元ッ！来い！」

夢に出てきた、あの子だった。