【現パロ金カム】紅影 (ページ11)

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第九話杉元･？？？ページ11

パチパチ__________。

謎の音がする。
それは次第にはっきりと聞こえ、何の音がを理解出来るほどハッキリとなった。
そう、これは火の音。

火が弾けた音だ。

そう気づいた杉元は、ゆっくりと起き上がる。
その時気づいた事は、体が暑い。いや、熱いとも言うべきか。

目の前に焚き火がモウモウと燃え盛るが、杉元には上手く状況が掴めない。

ここは何処だ。
ここは...一体。

「起きたか杉元」

現状を考えている中、聞いたことのある声が自分の横から聞こえた。
目を向けると、そこに居たのはあの目が綺麗な少女。

その少女に目を向けた時、

「君は･･･」

ズキ_______________

その小さな頭痛で何かを思い出した。
だが、それはすぐにフッと消え、更に記憶を掘り起こす度に更に痛みは増す。

なんだ、これは･･･

困惑している中、少女は火に目を向けながら静かに口を開いた。

「頭痛がするのか？」

「え･･･あぁ、まぁね。」

何故、この少女は今自分に起こっている状況が分かっているのか不思議に思ったが、杉元は冷静さを取り戻し、静かに問いかける。

「ここは･･･って、さっきまで俺ら建物の中にいたよな」

「だな。一つ言っておくが私はこの世界のことなど全くもって知らないからな。」

「え、知らないの？」

予想が外れた。
こんなに落ち着いているものだから、てっきりこの状況を知っている物かと･･･

「この世界って事は、前いた世界とは別･･･って事なの？」

「そうだ。覚えてないのか？あの建物での火事」

「まぁそれは」

そう、俺たち2人は炎に包まれ気を失いここに来た。
今思えば違う世界だと考えない方がおかしい。

「覚えているけど･･･」

「なら分かるだろ。こういう時は考えろ。杉元」

中学生くらいの子にそう生意気に教わり、ムッとしてしまったが、確かに少女の言うことも一理ある。

どれだけ大人びているんだ。この少女は

「そういえば、君はなんで俺の名前を知っているの？どこかで教えたっけ？」

「財布の免許証を覗かせてもらった。
悪いな。自分は何も持っていないものだから何か無いかと」

「あ、そうなの。別に･･･いいんだけどさ」

杉元はその後、そよ場の居づらさに気まずくなる。目を少女から背けて、杉元は当たりをよく見回した。

まるでキャンプをする時のような、光景だがそこにはコンロも、ランプもなくあまりにも原始的だ。

全てこんな幼い少女が準備したとは思えなかった。

「そう言えば、君の名前は？」