「 惚 れ さ せ 屋 」佐野玲於

stage 14 ページ14

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間違えて佐野さんを追加してしまい、特に何もアクションを起こさず静かにしていたのに

まさかの、佐野さんの方から「よろしく。」と短文のメッセージが送られて来た




「 どうしよ、」




… なんか気まずいな、誤操作とはいえ私の方から勝手に追加するなんて


結局、ミスで追加してしまった事を伝えたものの
それもそれで失礼だよね？

ひとまず返信は返したけど、あの佐野さんだもん。どうせ既読付いて終わりなんだろうな





玲於ジェネ高のスタンプ使ってんだね

玲於赤城さん何だかんだ俺らの事好きっしょ






わお … ちゃんと返信返ってきたし。
しかも、今同じビルの中に居るはずなのに

わざわざ文字打って やり取りしてるなんて不思議


毎日愉快で面白くて 可愛らしくて かっこいい皆さんとお仕事が出来て嬉しいし




Aもちろん!大好きです。





私の初めての配属先ですもん、1番初めに担当させて頂くグループですもん

そりゃあもう 好きですよ

その中に私の今攻略したい人がいるなんて口が裂けても言えないけど







玲於「 赤城さん 」

「 … わ、佐野さん 」


玲於「 ふは、ビビりすぎ。あと耳赤いよ 」





急に呼ばれて振り返ったら佐野さんでびっくりした

あたふたする私を見てクスクス笑ってる彼は
ホントに悪戯っ子のようで、可愛らしい






玲於「 そんな好きなんだ？俺たちのこと 」

「 もちろん、好きですよ 」


玲於「 俺も好き 」






何の気も無しに彼が放った、「 俺も好き 」という言葉だけで
一体、何人の女の子がときめくだろう。


この私でさえも危うくキュンとしてしまいそうだった。
ずるい人だな、これをやれば皆んなが喜ぶって知っててやるなんて

あざといところも含めて 佐野さんはターゲットとして落とし甲斐はある






涼太「 何が？」

玲於「 赤城さんね、俺らの事大好きなんだって 」


「 ちょ、言わないでくださいよ！」






涼太くんは、それを聞いて嬉しそうに目を細めた

かと思えば、くりくりのきゅるるんとしたお目目を開いて眉毛を下げてこう言った




涼太「 あれ？2人ともそんな仲良かったっけ 」

玲於「 別に普通に話すよ、ね 赤ちゃん 」


「 あ、あか … 赤ちゃん？」





困惑する私と、キョトン顔の涼太くん。それを横目にニヤつく佐野さん

赤ちゃんなんて呼ばれたの、初めてなんですけど

でも ちょっとだけ嬉しいのは何でだろ





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