「 惚 れ さ せ 屋 」佐野玲於

stage 11 ページ11

Reo side






結局、赤城さんとはあの日以来中々会わなくて

まぁ基本的には俺じゃなくて “ 俺ら ” の仕事の時にしか逢えないからね。

にしても、遅い。

いつもなら誰よりも早く来てお茶出してくれたり部屋の空調を良い感じに設定してくれるのに






隼「 あれ？Aちゃんは？」


杏「 そういえば来てないね、珍しい 」

瑠衣「 あれ、今日は来るはずなんだけどな 」





杏たちも何も聞いていないらしく、いつもなら既に来てる時間になっても赤城さんの姿はなくて

不思議そうにしてる。

つか、お前らがいつも遅えって話なんだけど





龍友「 え〜Aちゃんおらんとつまらんなぁ 」


涼太「 最近Aちゃんをイジることが俺のマイブームなんだよね 」


玲於「 … 誰か電話したら 」






てか、何なの。涼太くんの
“ Aちゃんをイジることがマイブーム ” ってさ

そんなに仲良いの？
そんなに毎回ちょっかいかけてんの？

そりゃくん付けで呼ばれるほど仲良いはずだわ






瑠衣「 誰かLINE知ってる？杏は？」

杏「 え、知らない … けど 」


龍友「 何やねん、お前らも知らんのか 」


杏「 名簿見ればケータイ番号くらいわかると思うんだけど … って、来た！」


「 すみません、ギリギリになりました 」






噂をすれば赤城さんがちょっとボロボロで到着

朝の通勤ラッシュに揉まれてたらしい

… 電車通勤的な？
いや、まさか朝帰りじゃないだろうな


ちょっとだけ慌てて来たのが目に見える

完璧過ぎないところも俺のツボを押さえて来る







涼太「 Aちゃんさ、せっかくだからグループライン入ろうよ 」


「 え、いいんですか？」


涼太「 勿論だよ。招待するの遅くなってごめんね？」






GENERATIONSだけのメンバーグループと

仕事仲間達も入ってるグループラインがあって
そこでは一応スタッフとか、勿論杏や瑠衣も入ってて

よくちょっとした業務連絡とかするんだけど

涼太くんが赤城さんを招待するらしい






龍友「 … って涼太が1番に交換すんのかい 」

涼太「 え、だめ？」


龍友「 ダメじゃないけど、ずるいやり方やな 」






“ そうかな？” とあざとくとぼける涼太くんは、早速赤城さんとLINE交換をしてる。

うわ、誤算だったな。先越された



隼「 あ、Aちゃん参加したー！」





“ 涼太が Aを招待しました ”

“ Aが参加しました ”






モヤモヤしたまま俺は画面を閉じた




.

stage 12→←stage 10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す