2人で/祇園 櫻井 ページ45
貴女side
『おいしい？』
｢めっちゃおいしい｣
私が作った料理を、すごい勢いで食べる彼が可愛らしい。
『何でこんな食べてんのに太らないんよ』
彼のお腹の肉を摘もうとするが、彼には脂肪というものが存在しないため、何も掴めない。
｢休みの日に運動してるからかな｣
『あんた休みの日プラ板しかしてへんやん』
ごくごくと麦茶を飲んで、コップをコースターに置く手の細いこと。
自分の手首と見比べてみるが、女の私と変わらないほどに細い。
『もうちょっと食べや』
｢これ以上食べたら破裂するて｣
ポンポンとお腹を叩きながら呟くが、何の音も響かない。
『木崎くんくらい食べて太ったらええやん』
｢ほんとに木崎さん最近太ってきてはるなぁ｣
うーんと考えているので、その隙に彼が食べ終わった食器を片付けていく。
｢それくらい俺やるから、Aは座ってて｣
『やっさし〜』
｢馬鹿にしてるやろ｣
『してへんしてへん』
カチャカチャと食器を重ねて、スポンジに泡を付けて洗っていく。
『ほんっま優しいなぁ』
ボソリと呟いた一言に、下を向いていた彼が顔を上げる。
｢どうしたんA｣
食器を洗っていた手を止めると、タオルで手を拭いてからこちらに向かってくる。
『聞こえてないと思ったんやけど』
｢俺地獄耳やから、｣
自分の耳を指さすと、私の隣に座る。
『健ちゃんほんま優しいなぁって思って』
｢俺別にそんな言われるほど優しないで｣
ポンポンと優しく背中を撫でると、心配そうに顔を覗き込んでくる。
｢ほら、どしたん？言ってみ｣
『幸せやなって、』
私の一言に、彼が目を丸くする。
｢俺も幸せや｣
はにかみ笑いをした彼を見て、涙が出そうになる。
『こんなんがずっと続けばええのに』
｢続けたらええやん｣
間髪入れずに言ってきた彼に、今度は私が目を丸くする。
｢この先もずっと、10年20年経っても、このまま2人で。俺はAが居たら幸せやから｣
『...健ちゃん』
思わず隣に居た彼に抱きつく。
『私も健ちゃんが隣におったら幸せ』
｢A大好きや｣
『私も』
10年20年と言わず、おじいちゃんおばあちゃんになっても2人で。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 280人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ANA - すいません！追加なんですが....過激な感じでも大丈夫ですか？ (2020年1月9日 0時) (
レス) id: ed74a5df95 (このIDを非表示/違反報告)
ANA - 初めまして！リクです！宮下草薙の草薙くんで、嫉妬からの甘々な感じのが見たいです！よろしくお願いします！ (2020年1月6日 3時) (レス) id: ed74a5df95 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずる(プロフ) - マキさん» お久しぶりです!!リクエスト承りました!!しばしお待ちを!! (2019年7月7日 23時) (レス) id: 6c5df035f8 (このIDを非表示/違反報告)
マキ - お久しぶりです。マキです!!リクエストなんですが、霜降り明星の粗品さんのお話をお願いできますでしょうか？シチュエーションは、バカップルでお願いします。 (2019年7月4日 20時) (レス) id: 4a018ae759 (このIDを非表示/違反報告)
kurumikan212(プロフ) - またリクエストで四千頭身の後藤君とラブラブな感じのデートが見たいです！よろしくお願いします。 (2019年6月30日 21時) (レス) id: 13c5b75118 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆずる | 作成日時：2019年3月31日 18時
