《ガイストクラッシャー》女子チーム！【合作】

彼女がここにいるわけは ページ22

「しばらく経過観察をしましょう」
何年か前の、夏が終わって、秋になりかけた時に、今より幼かったお医者さんに言われた言葉。

骨折の一つもしなかったその時の私は、なんの病気なのかも知らされなかった。
後で思えば、私は『病気』なのではなかったのだと、誰の口からも言われてはいなかった。



病気じゃない、その事にに気づいたのは自分自身で。
悲しそうに頷いたのは小さなお医者さんで。
いま、生きてるのが奇跡だと答えたのは、どこかの大人だった。



いまは、もう、いろんな人のお陰で、元通りになっている。

ＧＣＧにいる子供達は、大人達は

「生きていてくれて、ありがとう」

そう言ってくれた。



始めは経過観察のつもりで篭っていたこの場所も、今ではもう一つの家のようで。
その家にいる人たちは、家族のようで。


いつしか、ここにいるようになっていた。
ここが、私の場所になっていた。



たまに、
「どうしてＧＣＧにはいったの？」
「どうして、ガイストクラッシャーじゃないの？」
そう聞かれることがある。


私は、その度に答えてる。

「あそこに居たいから」

「なれなかったんだよ」



でも、ちゃんとした答えがない。
でも、本当なんだよ。
あそこに居たいんだよ。
ただ、それだけなんだよ。


「他に理由がなくて、ごめんね？」
いまなら、あの時の答えに、笑顔で答えられる。
私は居たいから、あそこにいる。









だから、今日も帰り道を急いで、大好きな家に帰るんだ。

異世界からの来訪者 その3→←異世界からの来訪者 その2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す