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「で、本題なんだけど……さっきのユイちゃんの言動ね」
あぁ、幼くなったような言葉使いだったね。
「あの喋り方は、小学生のとき、そのものだったの」
「いつもあんな感じでね。なんとかだもん!とか、そんな感じ」
「で、なーんか、男子と話すときだけそんな感じの喋り方になるんだわ、小学校のときのユイって」
名前の分からない男子の言葉にピクッとくる。
ユイがずっとあの喋り方……。
ちょっと疲れそう、かな？あはは。はは、はは……。
……ユイ……。
……今大丈夫かな？
ユイが再び心配になってきた。
「それで〜、ユイはぶりっこなんじゃね？って話になってさ〜!」
「花はもうちょっと重く話してよ。そんな軽い話じゃないんだから」
「分かったよ、ナナ」
ぶりっこ……。あぁ、小中学生がよく言いそうな事だ。そんなことで何人の女子がいじめ、避けられてきたか。
でも、中には本物のぶりっこいたりするらしいけどね。
でも、ユイはぶりっこじゃない。
あんないい子が、ぶりっこなわけ……ない……。
でも、もしかしたら小学生のとき、ぶりっこだったら？
私はユイの小学生のときのことなんて、全然知らない。知らなかった。この子たちに教えてもらえるまで何一つ知らなかった。
「そこで、ノアが目をつけたんだ。ユ＿＿」
「ユイに」
「おい、サトル、俺の台詞をとるな!!」
「えぇ〜……いいじゃん、別に」
なるほど。この男子、サトルって言うのね。これでこの場にいる全員の名前が分かったわ。
「それで、どんないじめを？」
私が聞くと、皆してナナちゃんを見た。
ナナちゃんの方がどんないじめをしていたか覚えているのだろうか？
「この中では、私だけなの。いじめのとき、ユイちゃんと同じクラスだったのは」
「そうなんだ……」
だから、皆してナナちゃんを見たんだ。
そりゃあ、クラス同じ人の方が間近でいじめを見れるわけだし……。
それはとても残酷なことだけどさ。
「酷いいじめだったの。初日は確か……ユイちゃんの机に花が置いてあったわ。そこら辺に生えてそうな草花。あとゴミもあったわね」
雅ちゃんの時と同じだ。
「初日からこんなレベル高いなんて、って驚いたわ」
「ね、ねぇ？ノアも同じクラスだったの？」
「うん。同じクラスだったよ。しかも……席がとても近かったの。ユイちゃんがノアちゃんの斜め前で」
そんな……席近いよ。
しかもユイが前なんて。後ろからやりたい放題じゃない。
ふと、空気が冷たくなった気がして身震いをした。
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作者名：ムクロねこ | 作成日時：2015年7月6日 0時
