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教室が見えてくる。
私は、教室に入りたくない、と思った。
授業中だし、目立つし、何より休み時間のことで星宮とか男子に言われそうで怖い。

……あれ?でも、休み時間のとき、星宮居たっけ?
休み時間のときは周りを見ていなかったから覚えてないや。
星宮って、影濃そうで実は影薄いし。
……いなかったよね?
いなかった方がいいな……。そうすれば何も言われなさそう。
あ、でも周りの子から聞いたり……?
あぁ、ほんともう最悪だよ。
どうしてあんな大声出しちゃったんだろう。
ノアは反省してなさそうだったし。

私は廊下で立ち止まった。
ユイは私より二、三歩進んだところで立ち止まり、こちらを振り返った。

「どうしたの?」

小声で聞いてくる。
いくら小さい声でも、静かな廊下ではちゃんと聞こえた。

「ううん。なんでも、ない……」

私は歩き出す。ユイは心配そうな顔で私を見ている。

(ユイ、私はユイの方が心配なんだよ?)

目の下が真っ赤になっていて、涙が頬を伝った跡もあって、今も少し震えているユイが心配なの。

だから、そんな顔で私を見ないで。
そういう顔で見たいのは私の方なの。


教室がすぐ目の前になった。
あとは四歩くらい進んで扉を開けるだけ。

ユイが私より先に扉を開けた。そして、教室の中に入っていく。私もその後に続いた。

皆の視線を嫌なほど感じる。気持ち悪い。

こういうのに私は慣れてないのに。

席につく。机の上には今の授業で使っているであろうプリント数枚。
そっか。今は理科の授業か。苦手だなあ。

私はプリントを整理して、机の中に入れた。どうやら皆、このプリントは書き終わって用済みになって机の中に入れているようだし。
プリントと入れ替えるように、理科の教科書とノート、下敷きと筆箱を出す。

黒板に書かれていることをノートに写し始める。

あまり書いていない。
最初の方はプリントをやっていたのかな。

そんなことを考えながら、植物細胞やら動物細胞やらの説明をノートに写していく。とても怠い。



……ある程度写し終わって一息つく。

(なんだ。誰も言ってこないんだね)

てっきり、星宮を中心とした男子たちが何か言ってくるかと心配してたんだけど、どうやらそれは杞憂に終わったようだった。

視線はまだ痛いけど、話しかけてこられないから多少はマシかな。

というか、隣の男子よ。
お前さっきからこっち見てくんな。

少しうざったいかなあ。

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作者名:ムクロねこ | 作成日時:2015年7月6日 0時

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