検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:6,366 hit

37 ページ37

「名前は本当に言えないのか?」
「言えません……」

あぁ、もう。ムカムカする。
今すぐコイツを殴りたい!蹴りたい!

私はウズウズしていた。
もはや私は暴力女だった。
さっきからノアを蹴ったり殴ったりする私を頭の中に浮かべている。
最低だと思う。でも、それ以上にノアは最低なのだから、私は悪くない。

「先生、あの……」
「ん?なんだユイ?」
「あの、もう休み時間終わってますが……」
「そうです。もう授業が……」

私もユイと一緒に言う。
先生は困ったように「あぁ、そうだな」とだけ言った。

「でもな、こっちの方も大事だ」

しらねぇよ。んなこと。
早くかえせよ。つまんなくてこっちはイライラしてるの!

「ノア、お前に命令を下したといういじめっ子の名前を言えば早く教室にかえせてやれるんだ。なぁ、名前を言ってくれよ」
「それが、無理、なんです。怖くて怖くて……その子にいじめられるのはもう、嫌なんです……!」

ノアは泣きはしないものの、苦しそうにそう言って退けた。
先生はもうそれ以上ノアには何も言わなかった。

「それじゃあ、教室に返してやろう」

先生がそう言ってパイプイスから立ち上がった。
そして、ドアを開け、「早く行け」と顎で廊下を指す。
私とユイは足早々にドアをくぐり、廊下へと出た。ノアはまだ生徒指導室に残っていた。

ノアはなぜ残るんだろう。
なんか胸のあたりがモヤモヤする。なんでかなぁ……。

そんなことを思いながらユイと自分達の教室がある三階に続く階段をのぼった。

「ねえ、ユイ」
「なに?」
「大丈夫?」

ユイは私から目をそらした。

早く会話を終えたいときのユイの癖だ。
私はそれ以上何も言わなかった。


ユイは本当に大丈夫なのだろうか……。


ノアのことも気になるし、ユイもユイだし、授業に集中出来なさそうだ。

38→←36



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.4/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:オリジナル , 学校行きたくない , 学校   
作品ジャンル:その他, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ムクロねこ | 作成日時:2015年7月6日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。