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ホームルームが終わると休み時間。
しかし、10分しかない。

さっきのホームルームのときの先生の話によると、雅ちゃんは休みらしい。
まあ、分かっていたけれど。

先生が教室から出ていくと、ノアが教卓に立ち、皆に声高らかに言った。

「今日の雅の代わりを発表しま〜す!」
『いえ〜い!』

その取り巻きたちが拍手をして喜びの声をあげる。

「だ〜れも教えてくれないんだもん。しょうがないよね〜!」
「そうそう!」
「ノアったらちょー正論っていうかあ?なんていうかあ?」

私の口の中が乾いていく。
キツい。この空気、苦手だ。

「さてさて、誰かというと〜」

誰?早く発表してくれない?
遅いんだよ。カタツムリかっての。

周りの空気がやけに重い。
これは、悪いことの前兆?
本当に空気が重くて、肩が痛い。息をするのでさえ辛く感じる。

あぁ、もしかしたら……__

「代わりにいじめられるのは__」

いじめられるのは……__

「Aちゃんとユイちゃんに決定〜!!」

あいつらは、分かっていたのかもしれない。
誰が雅ちゃんの机を片付けたのか。

皆が哀れみの目で私とユイを見てくる。
私は笑いもせず、泣きもせず。
ただ、何かを悟ったような表情をしていたと、後にユイが言っていた。

この世界は支配される者と支配する者がいる。
このクラスは、支配する者が多い。
私は支配される者で、とてもとても弱い存在だ。
そして、支配する者の中でもノアたちは強い立場にいる。


……私は革命なんて起こせない。
こんなやつら相手に革命なんて、起こせない。

下剋上なんて、出来ない。

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作者名:ムクロねこ | 作成日時:2015年7月6日 0時

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