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次の日。
学校へ登校して、私は驚いた。

アニメや漫画、ドラマといった現実じゃないものでしか無いはずの光景。
非現実染みた光景。

雅ちゃんの席に花が置いてあった。
他にもゴミが散らかされてあった。
ゴミは多分、ゴミ箱から。
花は、そこら辺でとってきたようなもので、白い小さな花だった。名前も分からない、よく見る花だ。

私に続いて、後から教室に入ってきた子も驚いていた。

「あれ、雅ちゃんの……」

あ、この声……。

後ろを見てなかったから分からなかったけれど、入ってきたのはユイのようだった。

「ユイ……」
「A、これなに?」
「知らない……私も来たばっかで、なんで……雅ちゃんの机が……」

私はそう言ったときに、昨日の放課後のことを思い出した。

ー『明日からいじめるのにね〜』ー

まさか、やっぱり、本当に……。
あぁ、あいつら……!
あいつらだ……!犯人はあの糞共だったんだ……!

私は辺りを見回す。
放課後、この教室に残っていたクラスの中心グループを。糞しかいないグループを探す。

けどいない。
ただ、一つ気づいたことがあった。
他の人たちも驚いていて、雅ちゃんの机をチラチラ見ている。

男子も、ただ話しているだけかと思いきや、雅ちゃんの机をチラチラ、時には凝視をしながら見ている。
女子は雅ちゃんの机から少し離れてぶつぶつ何か言っている。中には震えている子もいた。

女子は……驚いているだけじゃなさそうだな……。

「A、もしかして、これいじめ?」

ユイがいじめという言葉を発した瞬間、皆がこっちを向いた。

「え、え、え!?」

ユイは驚いている。

「な、何?……え、A……!?」

私は自分の席まで行った。
鞄の中から教科書類を出して、普通に朝の準備を終える。

ユイは私が準備を終えてから、自分の席に行って準備をした。
多分、皆が普通の会話に戻って、ユイから目を向けなくなったからだろう。

いじめ……どうしてその言葉に反応したのかは理解できるけど、そこまでユイを見るかなあ?

そして、ユイはすぐ私のところに来た。

「なんで先に逃げるの……!?」
「あ、いや、どうせ皆ユイのこと見てただろうし。私関係ないし」
「えぇ……」
「それに、今のこの状況だと、ねえ?」

ユイが辺りを見回した。
気を悪くしたような顔をしながら、「そうだね」と言った。

「こういうときは、目立ちたくないよね」
「うん」
「雅ちゃん、ロッカーを見る限り来てないよね」
「うん」

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作者名:ムクロねこ | 作成日時:2015年7月6日 0時

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