学校行きたくない (ページ21)

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自分は愚かだった。

あんなやつらを少し見直していたなんて。可笑しい。こんなの可笑しい。
この私が？あんな豚共を？
はあ？バカも休み休み言えよ。

見直すとかもうどうでもいい。

あいつらが憎い。
よくもまあ平気にヘラヘラ笑っていられるね。
自分たちのせいで雅ちゃんが屋上から飛び降りるかもしれないのに。

雅ちゃんは私から見ても心が弱いととらえられる子だ。そんな子がいじめられてみろ。屋上から飛び降りる確率が高いじゃないか。

あの豚。何を考えているんだ!?
「最低!!最悪!!害悪!!」な人と言えない顔面崩壊野郎めが。

私は二階に行って公衆電話の方に向かった。公衆電話は職員室の前にある。

公衆電話につくと、私は急いで受話器をとり、10円を出し、それを公衆電話に入れた。
そしてお母さんの携帯番号を打ち込む。

……1コール目。
………2コール目。

まだ二回なのに。2コール目なのに。
ものすごく苛つく。
早く出ろよ。おせぇよ。

『もしもし～』
「もしもし。迎え」
『はい、分かったよー』

のんびりとしたお母さんの声が消える。
そして、私は受話器をもとに戻した。

そのまま一階の下駄箱に行く。

靴をはいて外に出ると、うんざりするほどの暑さが襲ってくる。
それでも、あいつらの性格ほどうんざりしてこない。
この暑さのせいで熱中症になって死ぬ人もいるが、そんな命に危険をおよぼす存在の暑さなんかじゃなく、じわじわと精神を蝕んでいくあいつらの高笑いのほうが私は嫌いだ。

校門を出てすぐのところにバス停がある。誰も利用しないバス停だ。いや、利用できなくなってしまったバス停と言う方が正しいか。
私はそこの前でお母さんを待つ。

親に迎えを頼む人は、だいたいここで待つ。
田舎だし、利用する人も昔から少なかったので屋根やベンチはないが、目印としては役にたつのだ。

バス停として利用されなくなったても、別の用途で利用されてるのだから、バス停はさぞ嬉しいだろう。
………バス停に口があったら多分、「バスが来ない」って嘆きそうだが。
嬉しい、と思っていることにしよう。うん。

五分くらい待つとお母さんの車が私の目の前でとまった。
車の中はとても涼しくて、一瞬、寒いと思ってしまった。

……いじめられて苦しくなると屋上から飛び降りたくなるらしいね。あっという間だから。