学校行きたくない (ページ17)

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休み時間になれば、教室の外には人だかりが出来ていた。
先ほどの授業の時の騒がしさが伝わっていたのだ。

出ようにも出れないし、出ても質問攻めにされる子が多かった。
ついには教室に入ってきて聞き出そうとする子が出たくらいに、先ほどの授業での騒がしさは尋常じゃなかった。

私は本を読んでいた。
さっき教室に勝手に入ってきた子は絶賛先生に怒られ中だ。
校則で、「他クラス教室には用事があるとき以外入ってはいけない」というのがある。トラブルを防ぐためらしい。
そして、この校則を平気で破った子は先生行き。
しかも、さっきの子は運が悪いんだなあ。
通りがかった先生がまさかの学年指導の先生なんてね…。他にも結構破ってる子、いるのに。

私は本から少し目を放し、結構遠い雅ちゃんの席を見た。
雅ちゃんはいない。
休み時間になってすぐ、星宮と共に職員室に連れていかれた。男子もその後を追うように職員室に放送で呼ばれて行った。

今この教室には先生も男子もいない。
女子だけだった。
その女子たちは浮かない顔をしている。それほど雅ちゃんを守り抜きたかったのだろうか。

私は本に目を戻す。

今日は可笑しい。
トラブルは発生するし、薄っぺらい友情しかないと思っていた女子たちは連携して雅ちゃんを守ろうとするし。
何がなんだか分からない。

女子共は最悪な存在じゃなかったの？
ゴミ同然……ううん、それ以下だったんじゃ？

本の中で主人公は楽しそうに仲間としゃべっている。これは冒険ものの本だ。

この主人公のような人はなかなか居ない。
仲間のために命を投げ捨てようとする人なんていない。
でも、もしかしたら。
もしかしたら居るのかもしれない。そんな人が、このクラスに。女子に。
命を投げ捨てよう…まではいかないだろうけど、とにかく必死になって友達を守ろうとする人でも良い。
私は、そういう人がいてほしい、と思った。