苦労人の佐野家長女の周りには不良しかいない7 (ページ48)

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気絶ページ48

いつもみたいなデートになると思ってた

でもいつもみたいなデートにはならなかった

風が偶々、強い日だった

だから二人で歩いていたら近くの建物が燃えた。その火が燃えたままの木材が落ちてきて左腕をかすった

本当にそれはめちゃめちゃ小さかったけど触れたくらいで大したことはなかったけど昔の記憶がフラッシュバックしてしまった

「やめて。やめて。なんでそんなことしようとするの？そんな酷いことしないで。お願い」

「おい！？シエル！？どうした！！」

「痛い……暑い……助けて……熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い……」

とにかく熱い。熱くないのに熱い。痛くたないのに痛い

「俺がいる！しっかりしろ！一人じゃねえ！シエル！」

圭介に揺さぶられても私はなにも目の前のことが見えてなかった

「……あ……あ、ああああああああああ」

「シエル」

あまりにも酷すぎる記憶の繰り返しに私は強制的に記憶を失うしかなかった

いわゆる自己防衛って奴に違いない

「おい？シエル！？大丈夫か？‥…意識を失ったか。これからどうっするか…」

「場地さん？どうしたんすか？」

「千冬！急にシエルがわけもわかんねーけこと言い出して気絶しやがった」

「めちゃめちゃ大変じゃないですか！とりあえず団地まで連れていきません？今なら場地さんのお母さんいますよね？」

「そうだな」