苦労人の佐野家長女の周りには不良しかいない2

指輪 ページ43

「中学、どう？」

「暫く停学だってよ……」

「……勉強教えてあげる」

「いいのか？」

「うん」

「お袋と親父にこの間、殴られたんだ…なんてことしたのかって」

あー、圭介のお母さん、怒ったら怖いもんな

「……俺も反省してる。あいつを止めればよかったって」

すぎたことは仕方ない

「なあシエルは俺のこと嫌いになんねーの？俺はあんなことしたんだぞ」

私は圭介の両腕に抱きついて教えた

「私は誰がなんというと愛しているから。この気持ちに嘘はつきたくない」

「……」

圭介が何かを決心したようにこっちを見てくる

「俺にお前の傷と右目の責任をとらせてくれ」

「え？」

「俺がお前のそばにいて絶対に幸せするから」

その先の言葉をきいた私は目を丸くした

「プロポーズ？」

「……いっちまった……いや、その……」

「いいよ。大人になったら結婚しよ」

「え？」

「責任取りたいんでしょ？」

「ば‥…そうゆうのせこい……」

無言で何か小さな箱から何かを取り出して指輪を渡された

「用意万端だ」

「今までためてたんだよ……あと、母ちゃんから前借りした」

「嬉しい」

「俺もそのうち俺のも買うからな」

そっか

「そこ気をつけろよ。右に段差あるから」

優しく手を繋ぎリードしてくれる圭介にキュンとしてしまった

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